2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16330060
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
仁科 一彦 大阪大学, 大学院経済学研究科, 教授 (30094311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 眞一 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (10025463)
吉本 健一 大阪大学, 大学院高等司法研究科, 教授 (80031863)
長井 英生 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (70110848)
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Keywords | デリバティブズ / リスク・シェアリング / パレート改善 / 確率解析 / 幾何ブラウン運動 / 取引デザイン / 情報公開ルール / 市場管理機構 |
Research Abstract |
数学・統計学グループは、大きく分けて2つの研究成果を上げた。第一は、資産価格の推移を表現する確率過程の拡張と精緻化である。具体的には、確率過程に予期せぬショックの発生を許容するための変動要因を導入したことである。(Nagai H. and W.J.Runggaldier)第二は、取引費用を明示的に扱ったうえで最適投資の意思決定を分析したことである。(Nagai, H.(2006)ならびに,Nagai, H.(2007)) 経済学グループの成果は、デリバティブズ市場において最も重要な指標となるヴォラティリティの特性を、わが国と韓国の金融・資本市場で観察された実際の取引データに基づいて分析したことである。そこでの知見は、デリバティブズ価格の均衡モデルから導出されるインプライド・ヴォラティリティが、市場を取り巻く経済環境の変動に敏感に反応し、かつ将来の大きな環境変動を予見する可能性を否定できないということである。(Nishina, K., Maghrebi, N. and Kim, M.S,ならびにMaghrebi, N., Kim, M.S, and Nishina, K.,) 法学グループの成果としては、デリバティブズ市場が正常に機能することの重要性を、既存の株式市場における不正な取引を例にして示したことがある。すなわち、実際に取引されている金融資産の種類にかかわらず、正常な市場機能が求められることは言うまでもないが、とりわけデリバティブズを代表とする先端的な市場において不正な取引の弊害が深刻になることを示唆している。(吉本(2006)) 当研究プロジェクトは、デリバティブズ市場の設計と管理に関する理論的ならびに実際的な検討を蓄積して、,いくつかの顕著な成果を上げることができたと考える。とりわけ、デリバティブズは成熟した経済における必須の契約手段であることを再確認して、その価格形成と、市場のデザインに関して、先行研究が培った流れを発展させたことは特筆してよいと考える。
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Research Products
(6 results)