2006 Fiscal Year Annual Research Report
インドにおける消費パターンの変化と中小・在来産業の展開:1860-1950年
Project/Area Number |
16330063
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
柳澤 悠 千葉大学, 大学院人文社会科学研究科, 教授 (20046121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 高志 神戸市外国語大学, 外国語学部, 助教授 (70347516)
井坂 理穂 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教授 (70272490)
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Keywords | インド / 経済史 / 社会史 / 消費 / 社会変動 / 所得 / 国際研究者交流 / アメリカ:インド:イギリス |
Research Abstract |
1.2005年12月にインド・プネー市で行われた本プロジェクトの国際会議に提出された論文を完成させて、インドの出版社から刊行するため、原稿を出版社(オックスフォード大学出版会)に送付した。 2.これらの研究から、独立以前の時期のインドの消費パターンの変化に関して、次のような知見をえた。 (1)インド社会の階層やコミュニティごとに特徴的な伝統的な消費のパターンは、19世紀後半以降、変化をしていった。その変化は単純に西欧化したのでなく、「伝統的」な嗜好が新たな形で再生・創出される場合もあった。 (2)この消費の変化は、インドの社会構造や階層関係の変動によって大きな影響を受けた。その一部として、農村や都市下層民の自立性の強化に伴って彼らの消費が多様化し、部分的には上層階層の消費パターンを他の階層が模倣することで、新たな消費需要が形成された。 (3)メリヤス製品やマッチなど、安価な「近代的」商品が、農村部を含めて大衆的な市場を見いだすことができた。 (4)「伝統的」と思われていた手工業者や在来の産業は、新たな道具や機械の導入、小規模作業場の形成などの生産組織の変化、商人による情報の伝達とデザインの開発などの形態で、ダイナミックに変化に対応した。その結果、新たに創出された需要に基づき、「在来」産業は新たな展開を遂げることができた。 (5)両大戦間期に、インドの農業労働者の賃金水準は、ベンガル地方などを除いて、上昇する傾向を見せた。 (6)大衆的な消費の変動は、西欧との交易関係よりも、日本や中国からの繊維品・雑貨輸入やビルマからの米輸入など、インドとアジア諸国とのネットワークによって促進される部分がより大きかった。生活文化変容のあり方のアジア内の共通性との関連が想定される。
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Research Products
(5 results)