2006 Fiscal Year Annual Research Report
持続的イノベータによる破壊的蓄積型の技術活用:日本企業特有のイノベーション経営
Project/Area Number |
16330076
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
児玉 文雄 芝浦工業大学, 大学院工学マネジメント研究科, 教授 (20016538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 潤 芝浦工業大学, 大学院工学マネジメント研究科, 教授 (00407230)
辻本 将晴 芝浦工業大学, 大学院工学マネジメント研究科, 講師 (60376499)
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Keywords | 研究開発戦略 / 技術的リソース / データベース分析 / 特許情報 / 持続的イノベータ |
Research Abstract |
本研究の目的は、我が国において長期間にわたり成長を維持している技術依拠型の企業を主たる分析対象として、持続的なイノベーション経営とはどのようなものであるかを定量・定性の両面から分析し、技術経営に活かしていくことができるような理論の枠組みを構築することである。このため、企業の技術リソースに関して、企業内技術ドメインと事業ドメインの多様化の関係の分析、技術ドメインの多様化を推進する要因の分析、蓄積された技術による漸進的イノベーションと破壊的イノベーションの事例研究等を行った。定量的なデータとしては、個別企業の長期間にわたる財務情報や特許情報等のデータを用い、さらにそれらデータの新たな解析方法を開発することにより、我が国の企業の技術的リソースや行動の詳細な分析を行った。 長期間の技術戦略の分析ツールとして用いる電子化された日本特許のデータベースとしては、特許庁から公開されている整理標準化SGMLデータが、書誌情報のみながら1960年代以降のデータを蓄積しており、利用可能であることが判明した。このデータを研究用に利用可能なフォーマットへと整備を行い、リレーショナル・データベースを構築した。構築したデータベースは、技術分類以外に出願人の情報や発明者情報、請求項の数、審査請求と登録の年月日、補正の回数、権利維持期間、特許引用、論文引用(サイエンス・リンケージ)など多くの情報を含んでおり、これにより様々な視点からの分析が可能となった。"企業における基礎研究とイノベーション"、"Analysis of propensity to patent and science-dependence of large Japanese manufacturers of electrical machinery"、"日本企業の本業回帰と新規技術取り込みの分析"、"研究開発の多角化と知識近接性に関する研究"は、これらの定量的データの分析から得られた知見について述べている。特に、"重点4分野におけるサイエンスリンケージの計測"、"Significant Difference of Dependence upon Scientific Knowledge among Different Technologies"は、特許データから得られる、技術と科学の関係について調べたものである。 イノベーション研究は、世界的に見ても急速に発展しつつある領域であり、本研究で示したような定量的データベースの整備とケーススタディの蓄積は、当該分野に大きな貢献を果たすものと期待される。
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Research Products
(7 results)