2004 Fiscal Year Annual Research Report
欧米日のグローバル・ベンチャー企業の組織能力形成プロセスに関する比較研究
Project/Area Number |
16330077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高井 透 日本大学, 商学部, 教授 (60255247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 義也 早稲田大学, 大学院・アジア太平洋研究科, 教授 (30062178)
神田 良 明治学院大学, 経済学部, 教授 (90153030)
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Keywords | ボーン・グローバル / 戦略 / 持続的競争優位性 / グローバル戦略 / 多国籍企業 / 中堅企業 / ベンチャー企業 / イノベーション |
Research Abstract |
企業のグローバル経営に関する理論の多くは、欧米日の多国籍企業の戦略行動をベースに構築されてきた。例えば、欧米日の超多国籍企業の戦略行動をベースに導き出された、適応性、効率性、知識移転を同時に達成するトランスナショナル・カンパニー論。また、企業は輸出から直接投資へと段階的にグローバル化を進めていくとする国際化の進化論モデルやプロダクトサイクル論。しかし、これらの理論ではかならずしも説明できないようなグローバル戦略をとる企業が世界的に出現してきている。つまり、設立からすぐに海外戦略を指向し、既存理論で言われているような段階的国際化をたどらずに、設立からすぐにグローバル化を進め、特定の競争的強みを武器に国際市場に戦略を展開する企業である。このように設立当初から、グローバルに資源を調達、活用することでグローバル市場に製品を販売し、競争優位性を構築している企業をボーン・グローバル・カンパニー(以下BGC)と呼ぶ。 BGCの行動を、既存理論が説明できないのは、分析の視点を超多国籍企業の戦略行動に常に置いてきたことと、国際化は常に国内での長期的な事業展開の後に行われると仮定してきたからである。BGCの戦略行動を解明するためには、なぜ設立者が海外市場を指向するのか、そしてそれはどのような方法で行われるのか。また、多くのベンチャーが革新的な製品を武器に市場に登場しても、競争によって淘汰されていくことが多い中で、どのような戦略でグローバル競争を生き抜き、持続的競争優位性を構築しているのか。さらに、このようなBGCの戦略行動は、輸出から直接投資へと段階的に海外進出のレベルを上げていく伝統的な海外進出パターンをとる中堅・ベンチャー企業の戦略行動とは、いかなる違いや共通性があるのか。 これらの課題を、組織能力という概念を軸に分析することで、BGCならびに伝統的な海外進出パターンをとる中堅・ベンチヤー企業の戦略行動に対して、さまざまなインプリケーションを引き出している。
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Research Products
(4 results)