2005 Fiscal Year Annual Research Report
流通外資参入下の小売業の国際化戦略変化が地域流通構造に与える影響に関する研究
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16330084
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
岩永 忠康 佐賀大学, 経済学部, 教授 (90304873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白武 義治 佐賀大学, 農学部, 教授 (10192121)
諸泉 俊介 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (00210203)
宮崎 卓朗 佐賀大学, 経済学部, 助教授 (50209889)
柳 純 福岡女子短期大学, ビジネス学科, 講師 (50353181)
西島 博樹 長崎県立大学, 経済学部, 助教授 (90352418)
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Keywords | 流通外資 / 日系小売企業 / 欧米系小売企業 / 現地化 / 標準化 / 低価格業態 / 低価格志向 / 店舗の差別化 |
Research Abstract |
日本の小売業の経営は現在では大きく変化している。流通外資もその変化を促進している要因の一つである。日本では近年、流通外資の参入が活発化しているが、しかし近隣のアジア諸国ではより早い時期から流通外資が参入していた。これを研究することが日本での流通外資の展開方向を予測するうえで重要であると思われる。 中国での聞き取り調査では、アメリカ、フランスなどに本拠をおく小売企業が好調な業績を残していることがわかった。また一方で日本国内とは逆に日系の小売企業が好調であることも明らかとなった。しかしいわゆる流通外資と日系の小売企業はでは異なるところが多く、成功の要因は同じではない。現地化と標準化という点でみれば一般に日系の小売企業は標準化を強く指向しており、日本国内での店舗運営やコンセプトを多く中国に持ち込んでいる。また欧米系の小売企業は取扱商品については現地化を進めており、店舗運営も現地のスタッフに依存することも多く見られる。日系小売企業は低価格業態を持ち込んではいないが、欧米系の小売企業は低価格を武器に見地資本の小売企業と直接的な競争を繰り広げている。この違いは母国での競争力の源泉が低価格にあるかどうかということに由来すると思われる。 つまり日系小売企業は低価格業態ではない形で標準化を基本に進出を果たしており、欧米系小売企業は現地消費者の低価格指向に対応する形で現地化を進めているのである。このことを日本にあてはめて考えると、日本で流通外資が必ずしも十分な成功を得ていないことを理解することができる。 日本の消費者の嗜好は必ずしも低価格のみに向かっているわけではない。日本では欧米系小売企業が指向する現地化が日本企業との店舗の差別化につながらず、それが業績の低迷につながっていると思われる。現地化か標準化かという点は保有する競争力の源泉と消費者行動の差異によって大きく影響を受けている。
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Research Products
(4 results)