2004 Fiscal Year Annual Research Report
多様な長期記憶の形成を担う機能的神経回路の活動について
Project/Area Number |
16330140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
櫻井 芳雄 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60153962)
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Keywords | 神経回路 / 記憶 / 学習 / マルチニューロン活動 / スパイク・ソーティング / ラット |
Research Abstract |
ラットが数日間で獲得可能な学習課題を開発した。刺激として周波数の異なる2種類の音刺激(音A、音B)、反応として左右どちらかの穴へ鼻を入れるノーズポーク反応(反応R、反応L)を用い、音A→反応R、音B→反応Lという対応を学習させる音条件性位置弁別課題である。それを6匹のラットに訓練したところ、適切な刺激と時間のパラメータを用いることで、全てのラットに3日以内で学習させることができた。また、音A・Bを異なる周波数に変える毎に、学習がはじめからスタートし、やはりそれぞれ3日以内で学習できることもわかり、そのプロセスをとおして異なるニューロン集団の活動を次々と連続記録できることがわかった。次に、学習過程をとおして記録するマルチニューロン活動を個々のニューロン活動に分離するため、独立成分分析(ICA)を応用した独自のスパイク・ソーティング法を開発し、それがリアルタイムで動作するシステムを完成させた。そのシステムでは、興奮性の錐体ニューロンと抑制性の介在ニューロンを分離し、化学的シナプスだけでなく電気的シナプス(gap-junction)を介したニューロン間結合も検出できるようになっている。さらに、ラットの行動を解析するビデオシステムを開発し、海馬と新皮質から記録したマルチニューロン活動やニューロン間の相互作用とラットの行動を詳細に対応づけることで、ラットの反応を自動的に推定するシステムを作製した。また記録法については、そのリアルタイム式スパイク・ソーティング法をDSP(Digital Signal Processor)上に実装ことにより、より高連な記録システムを実現することを試みている。さらに、IC基盤を用いた超小型マイクロドライブを開発しており、海馬と新皮質に同時に刺入する電極数を増やす予定である。
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Research Products
(5 results)