2004 Fiscal Year Annual Research Report
民間資金活用による教育財源調達手法の有効性に関する国際比較研究
Project/Area Number |
16330152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高見 茂 京都大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60206878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 勉 京都大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (40263743)
小松 郁夫 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 部長 (10130296)
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Keywords | CSR / SRI / PFI / 社会的貢献 / 財務格付け / 証券化 / 財務構造 / 学債 |
Research Abstract |
本年度の研究においては、外国調査対象国として英国、ドイツを取り上げた。英国調査では、教育部門への民間企業の貢献を推進する仕組みとしての社会的責任投資に着目し、英国経団連、教育技能省へのヒアリング調査を実施した。英国では社会貢献をする企業に積極的に投資する仕組みがCSR・SRIを通じて出来上がっており、教育も企業の重要な貢献対象として認知されていることなどが判明した。特に従来の企業の教育貢献には、上手く行かなかったものと好循環したものがあり、その理由がよく分からなかったが、英国調査を通じて好循環する条件を抽出することができた。それは1)貢献対象が貢献事業者の事業に関連性をもつこと、2)貢献事業者が投入した資源に対する適度な裁量権をもつこと、3)貢献対象プログラムが社会的に認知されていることである。このことについては新たに検証する必要があると思われることから、わが国においてもこの条件が機能するのかどうか検証する予定で、アンケート調査の準備にかかった。 また民間資金を呼び込むための仕組みとして、英国で導入され始めたマーケットにおける資金調達について調査研究を実施した。特に高等教育においてPFIを利用し、証券化することによる新しいファイナンス方式が普及しつつあることを把握した。高等教育機関の財務格付け(発行体格付け)、証券自体の格付け等について、英国の専門格付け機関スタンダードアンドプアーズのアナリストにもヒアリングを試みた。 ドイツについては、高等教育機関の新しい設置形態についての聞き取り調査を実施し、財務構造がどうなっているかについての資料を収集した。 国内調査については、慶應義塾大学財務部でヒアリングを実施し、学債の市場発行による資金調達の計画についてヒアリングした。また地方自治体の学校整備資金の調達手法の意思決定過程についてもアンケート調査を企画し実施準備を整えた。
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