2006 Fiscal Year Annual Research Report
民間資金活用による教育財源調達手法の有効性に関する国際比較研究
Project/Area Number |
16330152
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高見 茂 京都大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60206878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 勉 京都大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (40263743)
小松 郁夫 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 部長 (10130296)
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Keywords | 格付け / 債券発行 / 地方教育費 / 受益者負担 / スクールファンド / 地域教育ファンド / CSR・SRI / EMO |
Research Abstract |
昨年度実施した国立大学・私立大学への資産運用を含めた財源調達手法に関する調査結果の分析を実施した。それを踏まえてわが国高等教育機関の新たな財務戦略について分析した。格付け・債券発行等を踏まえた新たな財源調達スキームの有効性と限界についても考察を加えた。また地方自治体対象の調査は、昨年度に単純集計についての分析を完了している。本年度は同調査を踏まえて更に掘り下げ、地方教育費の自由度に関する検討と地方教育財政との絡みから受益者負担に焦点を当てた財源調達問題についての検討を進めた。前者は地方教育費の変動要因を財政的要因と教育的要因の2つに類別し、学校段階別に変動構造・要因をデータを基に分析した。後者は教育における受益者負担に関する論を整理した上で、アンケート調査の結果に照らし、自治体の財政担当者の受益者負担の捉え方について検討した。そしてスクールファンドについては、昨年度は米国の事例を中心に調査研究を進めたが、本年度はその延長としてわが国における構想・今後の展開について先進事例についてヒアリングを行った。スクールファンドの定義についてもコミュニティ・ファンド、地域教育ファンド等の言葉の違いについて論考を試み、学校ファンドに焦点を当てて事例研究を実施した。昨年度の報告書で取り扱ったEMO(教育企業)についてもさらに研究を進めた。ボストンにおけるヒアリングを中心に、EMOを受け皿とした公財政支出教育費の節約可能性についても多元的に検討した。さらにインドにおける高等教育を中心に、CSR・SRIを援用した間接的な教育財源調達事例について現地調査を踏まえた論点の整理と新たな動向を探索した。
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