2006 Fiscal Year Annual Research Report
学級規模が授業と学校生活に与える影響に関する比較社会学的研究
Project/Area Number |
16330165
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 博敏 広島大学, 大学院教育学研究科, 教授 (10127730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 春彦 広島大学, 名誉教授 (90033638)
高旛 浩志 島根大学, 教育学部, 助教授 (20284135)
須田 康之 北海道教育大学, 旭川校, 教授 (90216474)
西本 裕輝 琉球大学, 大学教育センター, 助教授 (20301393)
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Keywords | 学校規模 / 学級規模 / 学級編成 / 少人数学習 / ティームティーチング / 学力 / 中国 |
Research Abstract |
本年度は、平成17年度中に広島県、北海道、沖縄県、島根県の小学校5年、中学校2年生を対象に実施した「少人数学習・TTと家庭での学習に関する児童生徒調査」のデータを18年秋に日本教育学会および日本教育社会学会の大会で発表した。その結果は以下の通りである。 第1に、子どもの授業態度は、学力に対する影響力は極めて大きい。ノートに重要事項をちゃんと筆記する子や、解けるはずの問題を間違えるとくやしいと思う子は、学力が高い。中学校では女子の学力が有意に高かった。これは女子がまじめだからであろう。 第2に、小学校、中学校とも、「先生が子どもによく質問し、よく発表する授業」をよく受けている子どもの学力は高い。小学校では、「グループで話し合う授業」はプラスだが、「教師が1時間しゃべり児童がそれを聞く」という一方向的な授業を受けている子どもの学力は低い。また、「朝の読書」を受けている児童ほど、学力が高くなっている。中学校では、「学級で話し合う授業」はマイナスだが、「プリントやドリルを使った授業」を受けている生徒の学力が高いという結果になった。小中とも、学校規模は意外に学力に影響を与えており、小規模校の方が学力は相対的に高い。また、2人の教師が一緒に授業を行うティーム・ティーティング(TT)をしている学級では学力が高くなる傾向にある。特定教科について一つの学級を分割して学習指導を行う少人数学習指導の効果は中学校で有効であるようだ。 第3に、家庭での学習や帰宅後の活動内容も比較的大きな影響を与えていた。学校の宿題をきちんとやる、毎日・長い時間勉強するなど、自宅でどの程度学習に取り組むかが大きな影響を与えていた。また、塾に通っている、通信教育を受けているなども有意な影響を与えていた。 第4に、毎朝、朝食をとり(中学校)、一人で夕食をとることが少ない(小学校)など、規則的な生活をしている子どもは、学力が高い。ピアノや書道など芸術の習い事が学力にプラスの影響をもっていた。 17年秋に中国大連市において実施した児童生徒調査の結果、大規模な学級ほど学力が高いという結果を得た。これは日中両国の通学区域制度と学校・学級規模の運用の違いに基づくと考えられる。
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Research Products
(6 results)