2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16330179
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
永守 基樹 和歌山大学, 教育学部, 教授 (40164470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩見 知利 平安女学院大学, 短期大学部, 教授 (20154180)
福本 謹一 兵庫教育大学, 連合大学院・教育学研究科, 研究主幹・教授 (80165315)
森 公一 同志社女子大学, 学芸学部, 教授 (60210118)
松本 泰章 京都嵯峨芸術大学, 芸術学部, 助教授 (00331702)
丁子 かおる 福岡教育大学, 教育学部, 講師 (80369694)
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Keywords | 芸術 / 芸術教育 / 美術教育 / 現代アート / メディアアート / メディア / 対話性 / 学習環境 |
Research Abstract |
今年度研究は大きく二者に大別される。 1 イメージ学習メディア環境の開発 第一の研究は、前期プロジェクト(科研「総合的感性教育の可能性の探求およびイメージ創造を支援する教育システムの開発」)の直接的な延長上にある「映像による芸術創造学習の次世モデルの開発」である。これは前期プロジェクトにおける、メディアアートの諸方法の探究と重なるものでもある。今年度研究では、この目的に沿って三つの方向からの研究をとりまとめた。 (1)画面とのインタラクティヴな関係性をより質的に高め、造形的行為や互いのコミュニケーションを誘発するように、「センサ・テーブル」のハードとソフトの両面からの改善と、その実践検証。 (2)大画面での高解像度の映像を鑑賞教育のメディアとして使用する試み(研究協力者:softpad)。 (3)ゴーグル状に装着する半透過の映像機器について、その可能性を探究する研究の総括。 2 現代アートのメディア性の検討 第二の研究は、イメージ教育を核とした次世代の表現教育や芸術教育が立脚するべき美的方法と理念的な基盤を探ることである。今回、現代アートのメディア性を焦点としつ、最先端の芸術状況の情報を収集し、より広い視野から現代アートの諸方法についての研究を行った。 「芸術」概念の変容・解体・溶解を背景として、本研究を通じて浮上したものは、芸術作品や表現活動の諸側面での「コミュニケーション」である。アートをめぐるコミュニケーション・モードの変革の意識が、多くのアートを生みだしているのである。「メディア」と「アート」、この二つの制度・装置に上下から挟み込まれるように支えられて、そこで行われる「コミュニケーション」と「学び」。この四者の関係性をダイナミックなものにすることが、次代の芸術教育を形成することにつながるように思われる。
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