2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 耕二 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (60192754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金銅 誠之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (50186847)
谷川 好男 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50109261)
坂内 健一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (90343201)
古庄 英和 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (60377976)
金子 昌信 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (70202017)
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Keywords | 保型L関数 / 平均値定理 / 池田リフト / Siegelモジュラー形式 / 標準L関数 / Riemannゼータ関数 / 半単純Lie環 / Wittenゼータ関数 |
Research Abstract |
本年度は保型L関数の平均値理論について特に研究を推進した。一般にdegreeが高い保型形式に付随する保型L関数の場合,ガンマ因子の大きさが増大することにより,平均値の漸近的な挙動を決定することは極めて困難になる。しかしながらliftingに対応するような場合には,liftingに付随するL関数の分解定理が成り立つので,通常よりも遥かに詳しい結論を導くことができる。特に池田リフトの像になっているようなSiegelモジュラー形式に付随する標準L関数に対してこの立場からの研究を推進し,そのL関数が大きい値を取ることが稀であることを解析的に定式化し,それをもとに従来の平均値定理よりも精密な結果を臨界帯の中心線上において導出することに成功した。また類似の結果が,齋藤-黒川リフトに付随するスピノルL関数についても成り立つことを発見した。一方,池田リフトの像のL関数の分解がRiemannゼータ関数を含むことに着目し,Riemannゼータ関数と一般的なDirichlet多項式の積について,その二乗平均値をAtkinsonの方法で調べた。特にその誤差項についての,Balasubramanian, Conrey, Heath-Brown,本橋らによる従来の評価を改良する誤差評価を得た。池田リフトのL関数への具体的な応用は今後の課題である。更に,半単純Lie環sl(r)に付随するwittenの多重ゼータ関数を取り上げ,その多変数版を導入し,Mellin-Barnes積分を用いる手法によってその解析関数としての挙動を研究し,可能な極の位置を決定した。そして特に,sl(4)の場合に,非自明な関数関係式を発見した。この関係式はその特別な場合として,整数点での値についての,従来知られていなかった関係式を含むものである。
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Research Products
(6 results)