2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永友 清和 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (90172543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 昌信 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (70202017)
松村 昭孝 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60115938)
土屋 昭博 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (90022673)
松尾 厚 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (20238968)
古閑 義之 福井大学, 工学部, 助教授 (20338429)
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Keywords | 点付きリーマン面 / モジュライ空間 / 共形場理論 / テンソル圏 / D-加群 / 無限次元代数 / 表現論 / カイラル代数 |
Research Abstract |
点付きリーマン面の共形場理論の構成を目的とする研究を実施した。平成17年度は,点付きリーマン面のスタックおよびそのコンパクト化した空間の上で因子化定理を備える理論を構成した。ただし,理論の出発点となるカイラル代数は有理的であるものに限る。この成果は発表に向け論文として執筆中である。理論の核となるのはカイラル代数の表現論であり,有理性より弱い条件の下でカイラル代数とそれに付随する有限次元代数の表現の圏間の同値性が重要な役割を果たしている。この結果は松尾厚,土屋昭博氏との共著でプレプリントとして発表した。この圏同値は有理的と限らないカイラル代数に対しても「良い」理論の構成が可能であることを示唆する。実際,W-代数と呼ばれるカイラル代数は有理的ではないが,その表現の圏はリボン圏としてqが1のべき根の場合の量子群の有限次元表現の充満部分圏と同値であることが最近報告された。これにより,リボン圏における指標のモジュラー不変性が共形場理論における共形ブロックへのモジュラー群の作用として理解される。本年度の成果は有理的なカイラル代数の表現の圏がMoore-Seibergデータを与え,弱リジッドなリボン圏の構造が自然に定義されることを意味する。有理的な場合にはさらにモジュラーとなり,Verlindeの公式の成立することが予想され,これは来年度の課題として引き続いて研究を進める。今年度の他の成果として,先に述べたW代数の共形場理論からの研究がある。有限次元ホップ代数との森田同値を共形場理論の立場から定式化することを試み,現時点ですでにその概要がほぼ明らかになっている。半単純でない非可換代数の表現論,とくに,準フロベニウス環の表現論が重要な役割を果たす。今後,半単純でない非可換代数の理論を駆使して,半単純でない場合のVerlindeの公式の定式化並びに証明を視野に入れた研究に移行する予定である。
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Research Products
(7 results)