2005 Fiscal Year Annual Research Report
完全非線形方程式の粘性解理論とその新たな展開に関する研究
Project/Area Number |
16340032
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
小池 茂昭 埼玉大学, 理学部, 教授 (90205295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 仁司 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (70102887)
森本 宏明 愛媛大学, 理学部, 教授 (80166438)
長井 英生 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (70110848)
三上 敏夫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70229657)
石井 克幸 神戸大学, 海事科学部, 助教授 (40232227)
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Keywords | 粘性解 / 完全非線形方程式 / 退化楕円型方程式 / 一様楕円型方程式 / 変分法 / ハルナックの不等式 / 数理ファイナンス / 最適制御 |
Research Abstract |
(1)Swiechとの共同研究で、非有界関数を係数や非斉次項に持った完全非線形2階一様楕円型・放物型偏微分方程式の最大値原理に関して幾つかの結果を得た。具体的には、 (A)楕円型の場合、1階微分の項にL^q係数のある場合、線形の場合のイタリア学派の臨界条件まで完全非線形でも最大値原理が成立すること、 (B)更に、1階微分の項が1次以上の増大度の場合にも同様の結果を得た。 (C)放物型の場合、L^∞係数の場合には、1階微分の増大度に無関係に最大値原理が成立すること、 (D)L^q係数の場合、非斉次項が属する関数空間L^pのpが適当に大きい場合に、同様の結果を得た。 (2)森本氏と坂口氏の共同研究で、数理ファイナンスに現れる変分不等式の粘性解の微分可能性を高めることで、最適フィードバック制御を構成した。 具体的には、非有界領域で非有界関数を係数や非斉次項に持ったobstacle問題の近似方程式であるpenalty方程式の解の局所ヘルダー評価・一階微分の評価・2階微分の評価を得た。 (3)Perronの方法による粘性解の存在定理をL^p粘性解の場合に修正版Perronの方法として確立し、この方法で構成した粘性解のヘルダー連続性を導いた。ここでは、Harnackの不等式の証明を原点に戻って証明し直した。このため、Aleksandrov-Bakelman-Pucciの最大値原理も半連続L^p粘性解に対して証明した。 更にrisk-sensitive最適制御に現れる問題に適用し、一般には粘性解の一意性が知られていない非線形偏微分方程式に対して、修正版Perronの方法で構成した粘性解が一意であることを示した。
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Research Products
(6 results)