2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神保 道夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (80109082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 哲二 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10027386)
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Keywords | 相関関数 / qKZ方程式 / XXX模型 / XXZ模型 / 形状因子 / 単項基底 |
Research Abstract |
当初は形状因子の研究を中心として申請したが,その後可積分スピン鎖の相関関数に関する進展があり,本年度は主としてこの研究を行った.主な成果は次の通りである. (i)従来の研究により,相関関数はreduced qKZ方程式の解であり,多重積分表示をもつことが知られていた.最近,近距離の場合にはこれらがゼータ函数の特殊値などで具体的に表示できることが報告されている(Boos et al, Takahashi et al.).一般に非斉次XXX模型の相関関数は,積分を含まない代数的表示(一つの超越関数の積の,有理関数係数の一次結合)を持つことが観察され,形状因子にあらわれるqKZ方程式との双対性に基づく説明がなされたが(Smirnov et al.),一般的な証明には至っていない.本年度の研究では相関関数に対して漸化式を導くことにより,この主張を確立した.特に先行する研究で最も困難であった係数の有理関数に対し,ある種の有限鎖の転送行列を用いた記述を与えた. ついでXXZ模型を考察し,2っの超越関数を含むreduced qKZ方程式の特殊解を構成し,massive regimeにおいてはそれが既知の積分表示と一致することを示した.(massless regimeでも積分と一致することが斯待されるが確認できていない.)現在XYZ模型への一般化を研究中であり,同様の結果が拡張されることをほぼ確認している. (ii)Virasoro極小表現系列(p,p')において,1<p'/p<2の場合に(2,1)プライマリー場の満たす関係式を決定し,それを用いた単項基底を構成した. (iii)SU(N)不変Thirring模型の形状因子については,N=2の場合を除き,技術的困難のため積分表示が知られていなかった.本年度の研究でこの点を解決し,無限サイクルの構成を行ったが,論文にまとめるには至っていない.
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Research Products
(2 results)