2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340038
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
一瀬 孝 金沢大学, 自然科学研究科, 名誉教授 (20024044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 博志 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (80188440)
高信 敏 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (40197124)
藤原 大輔 学習院大学, 理学部, 教授 (10011561)
田村 英男 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (30022734)
谷島 賢二 学習院大学, 理学部, 教授 (80011758)
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Keywords | トロッター積公式 / トロッター・加藤積公式 / リー・トロッター・加藤積公式 / 指数積公式 / 経路積分 / シュレーディンガー作用素 / 時間分割近似 |
Research Abstract |
本年度は最終年度であり,これまでと同様に経路積分との関連を意識しつつ,シュレーディンガー作用素論における例や応用を参考にしながら,トロッター(Trotter)積公式及び関連する経路積分の問題に関して成果が得られた。 1.一瀬は田村英男との共同研究で,ポテンシャルがすべての点で滑らかでなくて特異性を持つときも,トロッター積の積分核がポテンシャルの特異点を除いた領域で局所一様収束することを証明し,J.Reine Angew.Math.誌に発表した。更に,ラプラス作用素の半群と有界領域上の2乗可積分関数の空間への直交射影作用素とのトロッター積の積分核がこの領域のDirichlet境界条件つきラプラス作用素の半群の積分核に,領域の内部で局所一様収束することも証明した。 2.一瀬は,海外共同研究者P.Exner, V.A.Zagrebnov及びH.Neidhardtとの共同研究で,量子ゼノンカ学に関係する積公式を,スペクトルcutoffされた正の自己共役作用素のユニタリ群と直交射影作用素とのトロッター積の場合に証明した。この結果は2007年Integral Equations Operator Theory誌に出版された。 3.田村博志は,確率論の対象としてのフェルミオン過程,ボゾン過程を統計力学の立場か熱力学的極限を経て再現する手法を与えた。高信敏は,数論における極限定理のAdelic formulationによる効用について研究した。 4.藤原大輔は,大きな次元での振動積分の停留位相法の剰余項評価を精密にすることに成功,それを用いてFeynman経路積分の準古典近似の第2項の形を決めることができた。2006年J.Math.Soc.Japan誌にこの成果を発表した。 5.谷島賢二は,ポテンシャルが無限の遠方で減少するシュレーディンガー作用素に対する波動作用素のルベーグ空間での連続性を作用素が連続スペクトルの下端で特異性を持つ場合に研究した。
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