2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340039
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梅田 亨 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00176728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野海 正俊 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80164672)
若山 正人 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (40201149)
野村 隆昭 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (30135511)
松澤 淳一 奈良女子大学, 理学部, 教授 (00212217)
伊藤 稔 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (60381141)
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Keywords | 特殊函数 / Capelli恒等式 / dual pair / 双対性 / 超幾何 / 二項型多項式 |
Research Abstract |
可換変数で既に知られている特殊函数、特殊多項式が非可換変数においても、整合的な類似物をもっていることが或る場合に観察されるが、それがどのような背後世界を形作っているかという問題について、特に不変式論と表現論の立場から、Lie環の普遍包絡環と微分作用素環を主な材料として考察することが、本研究の主目的であった。これはdual pair理論とCapelli恒等式を導きの糸として、非可換性を単なる一般化ではなく、具体的な問題を扱うところに重点が置かれる。即ち、表現の行列要素として現われる、古典的で典型的な特殊函数を、その成分を微分作用素で置き換えることにより生ずるものとして、Capelli恒等式を解釈し、正しい一般化の方向を探るのである。 これに関して、特に古典的な不変式論における中心思想であった、記号的方法(symbolic method)を非可換な不変式論の枠組みに再生し、dual pair理論とのつながりにおいて、非可換な特殊函数とくに超幾何型函数及び二項型多項式が、なぜ現われるかについて考察を深めた。ここにおいて可換変数において成り立つ特別な和公式と非可換変数で、その関係式を成り立たせている基本関係のつながりが、特に興味深いものとして浮き彫りになってくる。たとえば非可換変数で、積の順序を換えるDarboux変換が超幾何型級数の和公式に対応することがある。これはまた形式的指数函数を用いて、非可換多項定理を出すことにも関係して生じたことだが、それ以上に、この非可換世界での興味深い対象をいろいろと内包しており、期待した以上に豊かな世界であることが次第に明らかになってきた。特にこの最後の部分は、分担者との議論において見えてきたものであり、本研究の体制のすぐれた点を示していると実感した。今後もその方向で、研究をすすめる大きな原動力が相られたと思う。
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Research Products
(6 results)