2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河東 泰之 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90214684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 正己 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80232362)
小沢 登高 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (60323466)
岸本 晶孝 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00128597)
幸崎 秀樹 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (20186612)
日合 文雄 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (30092571)
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Keywords | 作用素環 / 共形場理論 / 量子群 / 作用素空間 / 自由確率論 / 頂点作用素代数 / 量子不変量 / 場の量子論 |
Research Abstract |
河東は円周上の,作用素環の局所共形ネットのエントロピーを研究した.それは「熱核半群」のトレースの対数をとったものの時間変数による展開の係数として定義される.この量は,リーマン多様体のラプラシアンの固有値の分布を調べることの類似として,「無限自由度の非可換多様体」の幾何学的不変量と解釈できる.自然なモジュラー性の仮定の下で,「非可換面積」に当たる主要項が中心電荷に比例すること,非可換オイラー数に当たる次項がネットの大域指数の対数に比例することを示した.ブラックホールのエントロピーとの関係についても研究した. 小沢は,双曲群のフォンノイマン群環について,ディフューズな部分環の相対可換子環は常に,単射的であることを示した.これによってこのようなフォンノイマン群環の単射的でない部分因子環はすべて,条件ガンマを持たず,素であることがわかる.これまで知られていた素なフォンノイマン環に対する結果はすべてこれから導かれる. 泉は,SU_q(n)(0<q<1)の非自明な,ITPFI因子環上の直積型作用に対し,不動点環の相対可換子環は,量子旗多様体の上の有界可測関数環に同型であることを示した.これは双対離散量子群のポアソン境界の計算ともみなせる.このことの証明にはポアソン積分とベレジン変換の関係を用いる. 日合は,多変数の非可換確率変数に対し,圧力と呼ばれる数学的概念のの自由類似を導入し,そのルジャンドル変換と,ヴォイクレスクによる微視状態自由エントロピーとの関係を研究した.
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Research Products
(6 results)