2004 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線領域での酸素輝線を用いた宇宙のダークバリオン探査
Project/Area Number |
16340053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
須藤 靖 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20206569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樽家 篤史 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40334239)
大橋 隆哉 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70183027)
佐々木 伸 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80262260)
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Keywords | ダークバリオン / 銀河間物質 / 軟X線分光観測 / DIOS / 酸素輝線 / ガンマ線バースト |
Research Abstract |
ビッグバン元素合成理論の予言する宇宙のバリオンの大半は直接観測されていないダークバリオンである。これらは、10万度から1千万度の温度をもつWarm/Hot Intergalactic Medium(WHIM)であると考えられている。本研究はWHIMからのOVII(561eV,568eV,574eV)ならびにOVIII(653eV)の輝線を観測することで宇宙のダークバリオンの空間分布をマッピングし、その存在量の推定から宇宙の熱史及び銀河系内での重元素分布と循環機構を理解する上で本質的となる理論的枠組みの構築を目指す。 特に今年度は、 1)可視光で観測されている銀河分布を再現するように作成された近傍宇宙のシミュレーションデータを用いて、現在計画中のX線衛星DIOS(Diffuse Intergalactic Oxygen Surveyor)に搭載予定の分光器(エネルギー分解能2eV)の応答特性から模擬分光スペクトルを計算し、その観測可能性を議論した。 2)従来のシミュレーションコードを大幅に改良し、そのテストを終えてより信頼性の高いシミュレーション模擬データカタログを構築しつつある。具体的には、星形成と超新星爆発による銀河間ガスの熱化、それによって合成された重元素の分配とその循環、衝突イオン化平衡の近似を用いない熱的進化モデルの構築、が達成できた。 3)ガンマ線バーストのアフターグローを通じて、WHIMの吸収線をDIOSによって観測する可能性を検討し、輝線スペクトルデータとあわせてWHIMの温度、密度に対してどのような制限が得られるかを考察した。 の3点を中心とした研究を行った。
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Research Products
(6 results)