2004 Fiscal Year Annual Research Report
原始惑星系円盤におけるダスト沈殿・成長過程および系外惑星の形成問題への応用
Project/Area Number |
16340054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井田 茂 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60211736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀和 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (00282814)
北村 良実 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教授 (30183792)
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Keywords | 系外惑星 / 原始惑星系円盤 / ダスト / 惑星形成 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
1995年以来、約150個の系外惑星(太陽系外の恒星のまわりの惑星)が発見され、太陽近傍のG型、K型の孤立星においては、惑星系が存在する確率は少なくとも5%以上、もしかしたら数十%にも達するのではないかといわれている。したがって惑星形成は星形成に伴うかなり普遍的なプロセスである。 惑星系は、恒星の形成の副産物である原始惑星系円盤の中で生まれる。円盤は、98〜99%の質量が水素・ヘリウムのガスで構成され、残りのごく一部が固体成分(ダスト粒子)である。ダストは微惑星へ、微惑星は地球型惑星、木星型惑星のコアへと集積する。大きなコアが形成されると、その強い重力で円盤ガスをひきつけ、木星型の巨大ガス惑星が形成される。 円盤内でのダスト密度の空間分布の進化は惑星形成の初期条件を探る上で極めて重要である。ダスト密度の空間分布の進化はダストの赤道面への沈殿とそれに伴う合体成長である。本年度は、乱流のない円盤を考え、ダストのサイズ分布の進化を円盤の各半径、高さ毎に求め、各場所からの熱放射を計算し、それを足しあわせて円盤全体からの放射の準化を計算し、観測と比べた。わかったことは、ダスト成長に従ってダストからの熱放射が減衰し、その時間スケールは100万年程度であることがわかった。電波観測により、100万〜1000万年の時間で円盤からの熱放射が減衰することがわかっており、従来、それは円盤自体が消失と解釈されていたが、本研究が明らかにしたことは、それはダストの成長によるもので、円盤自体は残存していてもいいということである。本研究をまとめた論文は、米国天文学会誌"Astrophysical Journal"に受理された。今後、この解釈の妥当性を検証する電波観測の計画を立てて、プロポーザルを出していく予定である。
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Research Products
(4 results)