2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340060
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Research Institution | National Astronomical Observatory |
Principal Investigator |
花岡 庸一郎 国立天文台, 太陽天体プラズマ研究部, 助教授 (10238040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 隆 国立天文台, 太陽天体プラズマ研究部, 教授 (40114491)
末松 芳法 国立天文台, 太陽天体プラズマ研究部, 助教授 (50171111)
一本 潔 国立天文台, 太陽天体プラズマ研究部, 助教授 (70193456)
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Keywords | 太陽物理学 / 補償光学 |
Research Abstract |
太陽大気中の様々な活動現象は、恒星一般の物理の基本としてまたプラズマ物理の天然の実験室として、そしてさらには地球環境に多大な影響を及ぼすことでも近年その研究の重要性が注目されている。このような活動現象の解明においては太陽の表面構造を詳細に空間分解して観測することが本質的に重要である。我々はそのためのキーテクノロジーである太陽観測用補償光学を実用化してまず現存の望遠鏡で回折限界を達成し、これによって将来口径1m以上の望遠鏡での回折限界の観測を実現することに明確な見通しをつけ、新世代の太陽観測装置の足がかりとなることを目的として研究を行っている。 本年度は、前回の京都大学飛騨天文台のドームレス太陽望遠鏡における実際の太陽光を導入した実験で明らかになった問題点等について改良を行い、装置そのものの製作としては完了した。この装置を再び飛騨天文台に持ち込み、稼動実験を行い、波面追跡のために必要となる黒点が1日しか観測できないという悪条件下ではあったが、基本的な動作パラメーターの取得には成功した。その結果、基本的なコンポーネントのひとつである像安定化装置について、その動作を確認しただけでなく、黒点以外にも白斑のようなコントラストの弱い構造でもパターンを追跡できる能力があることを確認した。また、最も重要なコンポーネントである波面検出装置自体についても、黒点を用いることで波面乱れの基礎データを得ることができた。また、これら開発の成果について研究会等で発表を行った。 本研究での成果に基づき、本研究で使用したものとは別の新しい可変形鏡の評価を現在北見工大と共同で行っており、これによってより性能のよい補償光学装置の実現を目指している。また、平成19年度から京都大学と共同で、飛騨天文台ドームレス太陽望遠鏡に補償光学装置を常設し、基本的な共同利用装置として公開していくための基礎開発を開始することになっている。
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Research Products
(6 results)