2004 Fiscal Year Annual Research Report
超新星残骸の高解像度TeVガンマ線スペクトル観測による銀河系内宇宙線起源の解明
Project/Area Number |
16340073
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
窪 秀利 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40300868)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷森 達 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10179856)
|
Keywords | 超新星残骸 / 宇宙線 / ガンマ線観測 / 空気チェレンコフ望遠鏡 |
Research Abstract |
1.天体から放射されるTeVガンマ線を観測するため、口径10mの空気チェレンコフ望遠鏡4台をオーストラリアに設置する計画CANGAROO-IIIが進行中であり、平成16年に4号機を完成させ、空気シャワー像を4台の望遠鏡で同時に立体視し、高感度かつ高角度分解能のステレオ観測を開始した。当初は、4台の望遠鏡の観測データを観測後に一つにまとめ、同時事象を再構成する方式を採用していたが、観測エネルギーの低閾値化を目指し、観測中にリアルタイムで同時事象を選ぶシステムを12月に完成させた。これら望遠鏡システムの概要や天体観測のこれまでの結果について、論文に発表した(窪他)。 2.次世代の望遠鏡計画として、天体観測のエネルギー閾値をGeVガンマ線領域に下げるための、チェレンコフ光面密度の大きい4000m高地での空気チェレンコフ望遠鏡による観測が提案されており、本研究で、従来の望遠鏡システムで高地観測した場合のシミュレーションを行い、検出感度やエネルギー閾値を算出し、論文に発表した(浅原他共著)。 3.非熱的X線放射が検出された超新星残骸RX J0852.0-4622をCANGAROO望遠鏡で観測し、TeVガンマ線を検出した。観測された多波長スペクトルの解析から、観測されたTeVガンマ線は、加速陽子起源のπ^0中間子の崩壊と思われ、粒子加速の現場を捉えた証拠となった。これは、超新星残骸が、銀河系内宇宙線の起源の有力な候補であることを示す重要な結果であり、論文に発表した(片桐他共著)。
|
Research Products
(3 results)