2004 Fiscal Year Annual Research Report
非摂動的くりこみ群を用いた超対称非線形シグマ模型の研究
Project/Area Number |
16340075
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東島 清 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10092313)
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Keywords | 超対称非線形シグマ模型 / 非摂動的くりこみ群 / 3次元シグマ模型 / リッチフロー / 超対称シグマ模型のくりこみ / ケーラー多様体 |
Research Abstract |
本研究計画では、2次元および3次元のN=2超対称非線型シグマ模型において、(A)解析的手法による非摂動的くりこみ群の研究、(B)数値計算による無限次元理論空間におけるくりこみ群の流れ、(C)超共形不変な理論相互の関係、(D)摂動論的にくりこみ不可能な理論のくりこみ可能性を明らかにすることを目的とする。この成果は、場の量子論だけではなく、弦理論、膜理論に於いても大きな意味を持つ。 平成16年度には目標(A)(D)を中心に研究するとともに目標(B)に向けての準備を整えた。目標(A)に関しては、我々の導いたくりこむ群方程式は、数学の分野で研究されているリッチフローと深く結びついていることがわかったため、その専門家であるBakas教授を招へいし両者の関係を調べた。目標(D)に関しては、摂動論的にくりこみ不可能な3次元の非線形シグマ模型が、非摂動的なくりこみ群を用いるとくりこみ可能になることを示した。そのために、有限個のパラメーターを含むシグマ模型において、Large N法を適用してくりこみ可能性を調べた。また、同じ模型を非摂動論的くりこみ群の方法を用いて解析し、くりこみ群方程式のもとでの流れを求め、紫外固定点近傍の振る舞いを調べた。これらの成果を2月に行われた国際ワークショップFrontiers of Quantum Physicsにおいて発表し、現在論文を執筆中である。 目標(B)を達成するためには、計算機による数値計算により非線形無限連立微分方程式の数値解を求める必要がある。計算機システムはこの大規模数値計算を行うためのものであり、16年度には計算機システムの導入・整備とプログラムの開発を行った。
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