2004 Fiscal Year Annual Research Report
大強度陽子加速器における高運動量ビームラインの開発
Project/Area Number |
16340082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
澤田 真也 高エネルギー加速器研究機構, 大強度陽子加速器計画推進部, 助手 (70311123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 万博 高エネルギー加速器研究機構, 大強度陽子加速器計画推進部, 教授 (90171743)
今里 純 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (40107686)
齊藤 直人 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20321763)
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Keywords | 大強度陽子加速器 / ビーム / ビームライン / 偏向 / チャネリング / シリコン / 単結晶 |
Research Abstract |
本研究は大強度陽子加速器における高運動量ビームラインについて、その要求用件を精密化し、要素技術の開発を進めるものであり、研究機関は平成16年度から3年間である。初年度である平成16年度は、まずワークショップ(International Workshop on Nuclear and Particle Physics at J-PARC等)等の機会を通じて要求要件の精密化に努めた。また、要素技術のうちまず結晶によるビーム偏向法の開発に取り掛かった。これはシリコン単結晶等によるビーム粒子のチャネリングを利用してビームを偏向させようというものである。効率よくビームを偏向させるためには湾曲した結晶を用いる。シリコン結晶の形状を設計し、初歩的な試作を行うとともに、この分野の世界的な第一人者であるロシアのBiryukov氏との検討作業を開始した。同氏からも積極的に共同で研究を進めたいとの意思が示された。これに加えて、国内で結晶によるビーム偏向の経験を有する広島大学のグループと共同研究を開始した。運動量は小さいものの、広島大学の電子線加速器を用いて結晶によるビーム偏向の実験を行っている。これは、湾曲させていないシリコン単結晶を用いる実験であるが、これまでのシミュレーションによると、ビームの偏向を観測できる可能性が示されている。今後も引き続き実験を継続するとともに、高エネルギー加速器研究機構陽子シンクロトロンにおける実験など、より大きな運動量のビームを用いた実験の検討を行っている。
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