2005 Fiscal Year Annual Research Report
高誘電率絶緑薄膜の応力に起因する高圧相への構造相転移の研究
Project/Area Number |
16340088
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
秋本 晃一 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40262852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 和之 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教授 (00280553)
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Keywords | シンクロトロン放射光 / 高誘電率絶縁膜 / X線 / 結晶構造 / 構造相転移 / 光電子分光 |
Research Abstract |
高誘電率絶縁薄膜は、半導体集積回路の超高速化・低消費電力化を目指して、MOSデバイスのゲート絶縁膜であるシリコン酸化膜に替わる薄膜として研究開発が精力的に行われている。本研究では、各種の高誘電率絶縁薄膜について、常圧における極薄膜の結晶構造の変化について表面X線回折法により明らかにし、また、極薄膜の応力(歪み)の評価を極端に非対称なX線回折法により行う。さらに、構造相転移に伴う物性(誘電率、電子状態、欠陥)変化についてX線光電子分光法(XPS)により明らかにする。本研究では、極薄膜の状態で、常圧下で加熱しただけで一般には高圧相として知られている結晶構造が出現する物性物理学上ユニークな物質である高誘電率絶縁薄膜について、その結晶構造、応力(歪み)、物性の観点から総合的に評価して、構造相転移やアモルファスの状態での前駆構造について明らかにすることを目的としている。 本年度は、通常のHfO2に比べ結晶化温度が上昇することが知られている、HfO2にAl及びNを添加したALD(Atomic Layer Deposition)法によって作製されたHfAlOx(N)について、N添加の際の基板温度及び高誘電率絶縁膜形成後のアニール温度による応力(歪み)の変化を極端に非対称なX線回折法により明らかにした。また同時に、光電子分光法により局所誘電率を求め、測定された誘電率と応力(歪み)が良く対応することをはじめて明らかにした。極端に非対称なX線回折法の測定はシンクロトロン放射光(高エネルギー加速器研究機構 PF)を共同利用して行った。光電子分光の測定は宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究本部に設置されているVG製ESCALAB220i-XLを用いて行った。
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Research Products
(4 results)