2006 Fiscal Year Annual Research Report
高誘電率絶緑薄膜の応力に起因する高圧相への構造相転移の研究
Project/Area Number |
16340088
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
秋本 晃一 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (40262852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 和之 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教授 (00280553)
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Keywords | シンクロトロン放射光 / 高誘電率絶縁膜 / X線 / 結晶構造 / 構造相転移 / 光電子分光 |
Research Abstract |
高誘電率薄膜における応力の影響を明らかにするために、本年度はまず、HfO_2膜の及ぼす格子歪の測定を極端に非対称なX線回折法を用いて行い、界面付近で格子が0.1-0.3%程度圧縮され、歪の及ぶ深さが10-20nmであることを定量的に明らかにした。さらにPDA(Post-Deposition Annealing)を施すとその格子歪が変化することもわかった。 次に、より実用材料に近いHfAlO_x(N)/SiO_2/Si界面について研究を行った。極端に非対称なX線回折法を用いて界面の格子歪の評価を行い、また、X線光電子分光法を用いて、局所的誘電率を求め、格子歪と誘電率の関係についても研究した。試料として、Si(001)基板上に膜厚4nmのHfAlO_x(N)膜をALD法及びNH_3中のAnnealing(基板温度750℃、850℃、950℃)により作製した試料と、さらにO_2中の基板温度850℃でPDA(Post-Deposition Annealing)を施した試料を用いた。実験の結果、PDAなしの試料は、PDAありの試料に比べて圧縮歪が導入されていることが分かった。また各試料について求められた格子歪がAl原子の周囲の局所的誘電率と相関があることもわかった。ヘテロ接合界面においては、成長膜間に応力が発生しており界面近傍の結晶構成原子はバルクに比べて微小な変位を起こしていると考えられる。この歪みはキャリアの移動度変化などを引き起こし、デバイス特性に影響を与える。 さらに、本研究の研究手法をさらに高度化するために、極端に非対称なX線回折法をAl_2O_3とGaAs界面やイオン注入により誘起されるSi基板の格子歪等さまざまな界面に適用し、定量的に格子歪を求めることに成功した。また、局所誘電率についてもHfSiO_x等の種々の系で研究を行い、その妥当性を検証した。
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Research Products
(5 results)