2004 Fiscal Year Annual Research Report
広帯域赤外ポンプ-プローブ分光による遷移金属酸化物のキャリアダイナミクスの研究
Project/Area Number |
16340091
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
芦田 昌明 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (60240818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 伸吾 情報通信研究機構, 関西先端研究センター, 主任研究員 (80272532)
伊藤 正 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (60004503)
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Keywords | テラヘルツ時間領域分光 / ポンプ-プローブ分光 / 超短パルスレーザー / 光伝導アンテナ / 遷移金属酸化物 / 赤外分光 / キャリアダイナミクス |
Research Abstract |
今年度は広帯域赤外ポンプ-プローブ分光法の開発を行った。まず、本補助金で購入したダイオードレーザー励起のNd:YLFレーザーを既設の再生増幅器の励起源とすることにより、増幅器からの出力の安定化を図ることができた。この改善に基づいて、再生増幅器と光伝導アンテナを組み合わせた広帯域赤外光の発生・検出系を立ち上げた。こうした改善にも関わらず、再生増幅器からのパルスは繰り返しが遅いため、強度揺らぎによるデータのS/N低下はなお問題となる。そこで、ショット毎にデータを取得し、大きく強度が揺らいだイベントを取り除いて統計処理を行う新たな検出方法を考案し、0.1%程度の透過率変化も測定可能となった。 一方、光伝導アンテナの高周波側における検出限界を明らかにするべく、高繰り返し超短パルスレーザー(幅12fs)を用いた測定を行った。超広帯域赤外光の発生にはGsSe薄結晶(厚さ30μm)による位相整合光整流を用いた。本補助金で購入した簡便なUSB接続型CCD検出器と分光器を使用し、パルスレーザーのスペクトル形状を常にモニターしてパルス幅を最適に保ちながら実験を進めることで、100THzに及ぶ高周波成分の発生に成功した。また、この超広帯域赤外光のスペクトルを得るため、分光器とHgCdTe赤外検出器の組み合わせを使った定常測定を行った。さらに、測定系の感度を標準光源を用いて校正することにより、検出器の感度分布を補正した発光スペクトルに変換した。この結果と光伝導アンテナを用いた時間領域分光の結果とを比較することにより、光伝導アンテナの高周波側における感度特性を得ることができた。その結果、130THzを超える高周波成分が検出可能であることを明らかとした。
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Research Products
(2 results)