2005 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電体分域境界に生じる自発分極と結合した自由電子系の確定と解明
Project/Area Number |
16340093
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡部 行男 九州大学, 理学研究院, 教授 (40274550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和正 九州大学, 理学研究院, 助手 (30380562)
藤沢 浩訓 姫路工業大学, 工学研究科, 助手 (30285340)
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Keywords | 強誘電体 / 分極 / 表面 / 2次元電子 / 分域 / サイズ効果 / ナノ物性 / 反電界 |
Research Abstract |
酸化物強誘電体は、10-50μC/cm^2程度の巨大な表面電荷を持つ。このため、表面に電極が無いと、その漏れ出し静電場のエネルギーが著しく大きく、分域を形成して小さくすると考えられている。これは、通常強誘電体が絶縁体と見なせるからである。しかし、静電エネルギーで分域が規定されるのなら、電極無しでは、常に分域形成が静電エネルギーで制限されることになる。この影響は、極薄化すると甚大で、応用上も重要な問題である。目的:申請者らは、このような巨大な電界があると、強誘電体の最表面は単純な絶縁体と見なせないと提案し、初期検証として高真空中でBaTiO_3の表面伝導を測定し、支持する結果を得たが、特に、国内では、外的要因によるものと考えられ受け入れられていない。 報告者らは、試料、実験装置、実験方法を再検討して、従来の疑問の全てに答えられるような検討を行なうため、本科研費を申請した。即ち、本研究の目的は、こ強誘電体に特有な新しい電子系の有無を確立し、存在するならその普遍性を例示し、2次元性等の本質的性質をマクロ・ナノスケールの実験で解明することである。今年度は、代表的強誘電体BaTiO_3の表面伝導を、10^<-10>-10^<-11>torrという超高真空で測定可能な独自の測定システム様々な条件を変えて測定し、強誘電体分極による本質的表面伝導層が存在することを確定した。その過程で、従来不可能と考えられた電場による電極無しの領域が分極処理できることを確定し、電子層のみでなくホール層も形成可能であることを発見した。また、大気中の原子力間顕微鏡システムで、走査型圧電顕微鏡を立ち上げ、原子ステップを圧電像が同時に観察できること、また、この圧電測定でも上記の電場による電極無しの領域が分極処理できることも部分的に確認した。さらに、走査型圧電顕微鏡を超高真空原子間力顕微鏡に組み込み、初期動作の検証に成功した(超高真空での動作は世界的にも殆ない)。また、薄膜での電流異常が界面で起こっていること確定した。
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Research Products
(6 results)