2006 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電相転移と磁気相転移が同時に起こるRMn2O5の相転移の起源
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16340096
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野田 幸男 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80127274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 宏之 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (50312658)
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Keywords | マルチフェロイック / 磁気相転移 / 強誘電相転移 / 中性子磁気散乱 / 放射光X線回折 / 電気磁気効果 / RMn2O5 |
Research Abstract |
1.平成18年度には以下のような実験を行い発表した。 (1)ErMn_2O_5とTmMn_2O_5でq_Mベクトル測定の中性子回折実験と誘電率(ε)と電気分極(D-Eヒステリシス)の同時測定の技術を開発し測定した。 (2)YMn_2O_5の強誘電秩序に対応するBragg反射探索のため、放射光X線回折実験をSPring-8で行った。 (3)HoMn_2O_5の偏極中性子回折実験を行い、スピンカイラリティの測定を行った。 (4)上記(1)-(2)の結果を国際会議で招待講演及びポスター講演として発表した。 (4a)the 6th Japan-Korea Conference on Ferroelectricity at Sendai (4b)AsCA 06 at Tsukuba (5)上記(4a)のプロシーディングス3編はJ.Korean Phys.Soc.(2007)にすでに通り印刷中である。 (6)上記(1)の結果及び昨年度までのまとめに関してoriginal論文として4編投稿中である。 2.概要 ErMn_2O_5とTmMn_2O_5でq_Mベクトル測定の中性子回折実験と誘電率(ε)と電気分極(D-Eヒステリシス)の同時測定により、強誘電性相転移温度と磁気的な整合相の出現が対応関係にあることが判明した。さらに、微小な分極が一次元不整合相から出現することも分かったので、ディスコメンシュレーションという概念で理論的に言われていた誘電体相転移と同様の機構が磁気的にも起こっている物と想像される。HoMn_2O_5の偏極磁気回折実験から磁気整合相・強誘電相では磁気構造解析で見つかっているスピンカイラリティの存在が再確認された。さらに、不整合相でのスピンカイラリティの存在も議論できる見通しが立った。放射光を使用した強誘電秩序パラメータの測定により、YMn_2O_5の強誘電相の空間群が確定した。axbx2cの単位胞でPb2_1mであった。現在、基本反射より8桁も弱い新たに見つかったBragg反射を使用して、強誘電相の構造の解析を実施しているところである。
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Research Products
(2 results)