2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340103
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三宅 和正 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (90109265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 浩 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教授 (10234709)
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Keywords | 強相関電子系 / 異方的超伝導 / 臨界価数ゆらぎ / 数値くりこみ群 / 量子臨界現象 / 結晶場効果 |
Research Abstract |
1)Ceを含むある種の重い電子系に加圧したとき反強磁性転移温度と近藤温度が一致する圧力において残留抵抗がピークを示す現象が知られている。この原因は「2不純物近藤効果おけるRKKY相互作用と近藤効果の競合による量子臨界性が電荷感受率の発散的増大を引き起こしている」ことにあることを2不純物アンダーソン模型にたいしてf数値くりこみ群」の手法により解明した。 2)重い電子系物質CeCu_2(Si,Ge)_2の加圧下で観測されたCeの価数の臨界的量子転移とその近傍で現れる超伝導転移温度の増大を微視的に調べる目的で、f電子と伝導電子との間の局所的斥力U_<fc>を考慮した1次元周期アンダーソン模型を「密度行列くりこみ群」の方法で研究した。その結果、価数転移に伴う臨界点の性質は通常の気体-液体の臨界点近傍のそれとは異なるユニバーサルクラスに属していること、臨界点の近傍で価数が急激なクロスオーバーを示す領域において超伝導相関が最も支配的になることが確認された。 3)臨界価数ゆらぎに起因する超伝導機構に関する総合報告2件を執筆した。 4)Ceを含む重い電子系における結晶場効果を1/N-展開法および不純物模型に対する「数値くりこみ群」の手法で研究し、電気抵抗の温度依存性およびCeイオンの価数転移に顕著な影響をもつことを示した。 5)17年度の研究で提案したスピン3重項超伝導体Sr_2RuO_4の微視的モデル(そこではRuの4d電子と酸素の2p電子との混成が大きいことに起因して酸素サイトでの2p電子間のオンサイト斥力が短距離の強磁性相関が誘起されスピン3重項超伝導を安定化させる)に基づいて、Ruサイトでの原子内スピン軌道相互作用がdベクトルをc軸に垂直に向けるように働くことを見出した。これは最近のNMRナイトシフトの結果とコンシステントである。(論文準備中)
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Research Products
(9 results)