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2005 Fiscal Year Annual Research Report

沈み込むスラブを伴ったマントル構造の地震学的解析と数値シミュレーション

Research Project

Project/Area Number 16340130
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

田島 文子  広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50346475)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 吉岡 祥一  九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (20222391)
中久喜 伴益  広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10263667)
Keywordsスタグナントスラブ / 広帯域地震波形解析 / 数値シミュレーション / スラブダイナミクス
Research Abstract

スタグナントスラブ近傍をサンプルした地震実体波形のうち,局所的に特異なコーダ状に拡がったP波形が観測されることがあるが,これらは深発地震近傍(100数十キロ以内)でSV波からP波に変換したものと思われる(Tajima and Nakagawa, GRL,2006).ポアソン比(σ)の異なる層構造でこのような変換波が現れる条件をテストすると,σ=0.35〜0.4でS波の約10%の変換P波が現れることが分かった.この変換P波は、直達P波とほぼ同程度の振幅を持ちうるので,コーダ状に拡がったP波形の成因として考えることは妥当と思われる.局所的にこのような異常を示すゾーンが存在することは,マントル遷移層最下部付近でスラブの存在による低温異常と水を含む相転移の複雑さによって引き起こされるものと思われる(田島・他、地震,2005).
一方、マントル遷移層以深に沈み込んでいくスラブの挙動の違いがどのような物理条件(温度・粘性率・密度・強度)によって引き起こされるかに関し、引き続き数値シミュレーションを行い,下部マントルへのスラブの沈み込みが妨げられると海溝が海側に後退し、スタグナントスラブ形成の可能性があること、又、プレートの沈み込み開始を左右する重要なパラメータは、プレート境界の強度であることなどを示した(Tagawa et al.,2006a, b).
又,千島・日本海溝及び伊豆小笠原海溝に沿ったプレート境界で、グローバルなプレート運動モデルであるREVELに基づき、プレートの相対運動速度ベクトルを計算した。各地点で、相対運動速度ベクトルの方向に沿った鉛直断面にFukao et al.(2001)による地震波トモグラフィの結果をプロットしその結果を参考にして、差分法を用いた熱と流れのシミュレーションにより、海洋プレートの年齢、沈み込み速度、沈み込み角を変えながら、海洋プレート及びスタグナントスラブの温度分布の推定を行った。最近高温高圧実験によって得られた知見を考慮し、以前作成を行った温度・圧力依存の各種弾性パラメターの改訂版の作成にも着手した。

  • Research Products

    (2 results)

All 2006 2005

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] Implications of seismic waveforms : complex physical properties associated with stagnant slab2006

    • Author(s)
      F.Tajima, T.Nakagawa
    • Journal Title

      Geophysical Research Letters 33

      Pages: doi:10.1029/2005GL02431

  • [Journal Article] スタグナントスラブに伴うマントル構造の地震学的解析と数値シミュレーション2005

    • Author(s)
      田島文子, 中久喜伴益, 吉岡祥一
    • Journal Title

      地震 58

      Pages: 121-141

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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