2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340139
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
深尾 昌一郎 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (30026249)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 卓司 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (40217857)
橋口 浩之 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (90293943)
山本 真之 京都大学, 生存圏研究所, 助手 (90346073)
西 憲敬 京都大学, 理学研究科, 助手 (00222183)
藤原 正智 北海道大学, 大学院・地球科学研究科, 助教授 (00360941)
|
Keywords | 巻雲 / 対流圏 / 熱帯 / 中緯度 / 対流活動 / リモートセンシング / レーダー / ライダー |
Research Abstract |
1.赤道大気レーダー・ラジオゾンデ・気象衛星・全球再解析等で得られたデータを用い、熱帯域上部対流圏におもける鉛直流変動を詳細に調べた。その結果、上部対流圏での対流雲内では周期数十分以下の鉛直流変動が卓越すること、また深い対流に伴い発生する上部対流圏の厚い巻雲内では長時間(6時間以上)にわたり20-50cm/sの大きい上昇流が卓越することがわかった。また大規模対流場と鉛直流との関連を調べた。対流圏中層に大きい水平風の鉛直シアーと大きい相対湿度が見られる時期には、上部対流圏(高度10-14km)に5cm/s程度の大きい上昇流が平均的に存在する一方で、対流圏中層の鉛直シアーが小さく相対湿度が低い時期には上部対流圏の鉛直流はほとんど0cm/sと上部対流圏の鉛直流は大規模対流場により大きな違いを示すことが明らかとなった。大気の鉛直輸送を決定する鉛直流の直接観測が可能な赤道大気レーダーにより、上部対流圏での鉛直流変動と巻雲との関連が明らかになりつつある。 2.中緯度と赤道域での巻雲の生成・維持メカニズムの比較のため信楽MU観測所において7/20〜23日及び10/28〜11/6の期間MUレーダー・ラジオゾンデ・水蒸気ラジオゾンデ・ミリ波レーダー・ライダーの観測を実施した。7月の観測では対流圏界面付近に存在する薄い巻雲の観測に、10-11月の観測では前線面の通過に伴う対流圏中層から上層に至る厚い巻雲の観測にそれぞれ成功した。特に7月の観測で、対流圏界面付近の巻雲は上昇流の卓越に伴い発生することが確認された。これは新たな観測事実である。現在7月及び10-11月の観測における巻雲の発生・維持メカニズムと背景風との関連につき検討を進めている。
|
Research Products
(3 results)