2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16340140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
余田 成男 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30167027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石岡 圭一 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90292804)
内藤 陽子 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50324603)
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Keywords | 対流圏 / 成層圏 / 地球流体力学 / 大気変動 / 数値実験 / 長期積分 / 非線形 / 統計解析 |
Research Abstract |
数値実験および解析に用いる道具の整備: 地球流体力学数値計算ライブラリISPACKを、購入したPCクラスタ用に再整備した。さらに、新たな座標系を採用した計算コードを開発したことにより、物理的整合性を保ったまま計算効率を改善することができた。一方では、気象要素の3次元格子点データを可視化するツールの整備を進めた。 地球流体力学における基本的な知見の確立: 強制散逸のあるf平面浅水系を用いて、順圧不安定な帯状流強制下でのジェットの非定常運動に伴う重力波放射を非線形数値実験によって調べた。計算には、再整備・改良したISPACKを用いた。また、β平面上の2次元減衰性乱流から生じる帯状ジェットの非対称性に関する研究を行ない、非対称性の形成メカニズムを明らかにした。 対流圏・成層圏大気にみられる変動についての理解: 2次元球面順圧モデルを用いた数値実験により、成層圏周極渦の準周期的な変動を、惑星規模の波と波の非線形相互作用という観点から調べた。定常波励起に関するパラメータを少しずつ変えて実験を繰り返し、周期解と準周期解の間の遷移を詳細に解析した。また、東部太平洋赤道域の対流圏中層に見られる層状構造の形成メカニズムについて調べるため、メソスケール気象モデルMM5を用いた実験を行なった。 対流圏・成層圏大気の内部変動と外部強制に関する統計的評価方法の確立: 有限長データを解析した際にみられる大気変動の見かけのトレンドについて、確率統計理論による評価方法を確立し、全球3次元大気循環力学モデルの長期積分から得られた確率密度分布関数を用いた議論を行なった。また、対流圏-成層圏結合システムの変動における外部強制の影響の有意性を評価する統計解析手法を確立し、中高緯度対流圏成層圏大気に対する赤道域準二年周期振動の影響について、NCEP/NCARの全球再解析データを用いた解析を行なった。
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Research Products
(11 results)