2006 Fiscal Year Annual Research Report
レーダー観測とシミュレーションによる北極域下部熱圏-中間圏結合の解明
Project/Area Number |
16340146
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野澤 悟徳 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (60212130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 良一 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (00132712)
小川 忠彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (60271607)
前田 佐和子 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (00199613)
藤原 均 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50298741)
小川 泰信 国立極地研究所, 研究教育系, 講師 (00362210)
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Keywords | EISCATレーダー / 下部熱圏 / 北極域 / トロムソ / ロングイアビン / シミュレーション / 磁気圏-電離圏-熱圏-中間圏結合 / ESR |
Research Abstract |
DELTAキャンペーン中に、トロムソEISCAT UHFレーダーにて取得された計74時間分の観測データを解析して、高度110km以下の下部熱圏中性風の半日潮汐波の日々変動を調べた。その結果、この期間半日潮汐波の強度の日々変動は大きいことが分かった。一方で、その位相プロファイルは、ほとんど変化していなかった。ロケットにより観測された中性大気温度と電子温度を、EISCATから観測(導出)されたイオン温度(中性大気温度)と電子温度、それぞれと比較した。中性大気については、比較的良い一致を示した。一方で、電子温度については、一致は得られなかった。ロケットの観測値とEISCATレーダーの観測値は、空間的に異なる(〜100km)ところを見ていることを考えると、中性大気温度は割と大きな構造を持っているが、電子温度が局所的な構造を持つことを示唆すると考えられる。 トロムソのEISCATレーダーとロングイアビンのEISCATスヴァールバルレーダー(ESR)の6日間連続同時観測データ(1999年7月1-7日)を用いて、下部熱圏(高度100〜120km)の中性風へのイオンドラッグの影響を定量的に評価した。ESRで観測された電場は、前半3日間は安定した一日変動が見られたが、後半3日間では顕著な一日変動は見られず比較的静穏であった。この電場変動の特徴を利用して、中性大気速度とイオン速度の潮汐成分を比較した結果、電場に一日変動が見られた期間はイオンドラッグによって一日潮汐成分が加速されていることが分かった。一方、電場に顕著な時間変動が見られなかったトロムソでは、中性風速度の潮汐成分に対するイオンドラッグの顕著な影響は見られなかった。さらにNCAR TIME-GCMによる計算値とレーダー観測値とを比較したところ、TIME-GCMによる一日潮汐波の予測値も対流電場による影響を受けることが判明した。
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Research Products
(6 results)