2005 Fiscal Year Annual Research Report
SuperDARNレーダー網による極域電磁圏と下部熱圏・中間圏環境変動の研究
Project/Area Number |
16340148
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
佐藤 夏雄 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (50132709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江尻 全機 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (30013692)
小川 忠彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (60271607)
西谷 望 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (10218159)
田口 聡 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (80251718)
細川 啓祐 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (80361830)
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Keywords | SuperDARNレーダー / HFレーダー / 極域擾乱 / オーロラ / プラズマ対流 / カプス域 / 中間圏 / 熱圏 |
Research Abstract |
本研究課題は、南北両極域の広範囲を高時間分解能で観測している国際SuperDARNレーダー網の特徴・利点を最大限に生かし、両半球の極域電磁圏で生起している電磁現象のマクロ的・ミクロ的特性を明確にし、太陽風と地球磁気圏との相互作用の物理的プロセス、及び、極域電磁圏と下部熱圏・中間圏環境変動を総合的に解き明かすことを最終目的としている。 今年度に実施した主な研究課題と成果としては、1)Polar Mesosphere Summer Echoes(PMSE)は極域夏季中間圏(高度80-90km)に出現する特異なレーダーエコーであり、この現象に注目して研究を行った。SuperDARNの近距離レンジ観測からPMSEを抽出するアルゴリズムを開発し、このアルゴリズムを北半球アイスランドレーダーと南半球昭和基地レーダーの2シーズン分の観測に適用し、PMSEの活動度に、南北半球差があることを示した。また、PMSE出現の長期変動を詳細に調べた結果、出現回数が年とともに増加している傾向が見えてきた。日本が主導し、2006年2月に南極SuperDARNによるPMSEキャンペーンを実施した。PMSEは上部中間圏温度の低下と関係しており、中間圏寒冷化の研究に有用である。2)アイスランドにおけるHFレーダーと可視オーロラとの比較観測として、11月にアイスランドのチョルネスにおいて,ATVによる可視オーロラの高時間分解能観測と同時にSuperDARNアイスランドレーダーのE領域モードによる特別観測を実施した.F領域通常観測モードよりもはるかに高い時空間分解能でオーロラからの散乱波を得ることができるため,脈動オーロラ等の速い現象の背景にある電場変動を明らかにすることが可能となった。興味深い観測結果として、約8秒の周期で明滅を繰り返す脈動オーロラを観測した。ドップラー速度には脈動オーロラと同程度の周期を持つ変動が見られ、脈動オーロラにHFレーダーよってモジュレートされる電離圏電子密度の増減に対応しているものと考えられる。
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Research Products
(12 results)