2005 Fiscal Year Annual Research Report
放散虫類は古生代・中生代境界で絶滅したか-三畳紀最前期放散虫化石の古生物学的研究
Project/Area Number |
16340160
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
竹村 厚司 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 助教授 (90192632)
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Keywords | 放散虫化石 / 古生代 / 中生代 / P / T境界 / ニュージーランド / アローロックス / 大量絶滅 / 層状チャート |
Research Abstract |
ニュージーランド北島北部のアローロックスには,三畳紀最前期のGriesbachianからDienerianの層状チャートがいくつかのセクションに露出している.このうち今年度は昨年度に引き続いて,ARFおよびARHセクションから得られた放散虫化石の抽出と電子顕微鏡による写真撮影を行い,それらの分類学的検討と記載を行なった. これらの放散虫化石は少なくとも30種以上が識別できるが,記載を行ったのは6属11種で,そのうち1属は新属,5種は新種である.これらはAlbaillellaに属するAlbaillella属,EntactiniidaeのEntactinosphaera属とHegleria属,Triaenosphaera属,そしてLatentifistulideaのCauletella属と新属としたOruatemanua属である.これらのグループはすべてペルム紀型の放散虫であり,ペルム紀のものと同種のものも含まれる.従ってペルム紀の放散虫がすべてP/T境界で絶滅したわけではないことは確実である. これらの成果は現在編集中のアローロックス研究論文集に投稿中であり,研究代表者はこの論文集の編集にもたずさわっている.さらにアローロックスからのペルム紀,三畳紀の放散虫化石の概要についても,それぞれこの論文集に投稿中である.この論文集は来年度中にニュージーランド地質核科学研究所のモノグラフとして出版予定である. また,その他の放散虫化石についても現在,分類および生層序学的検討を進めている.これらの成果は平成18年3月にニュージーランドで開催される国際放散虫研究集会と,そのアローロックスでの巡検で発表・報告する予定である.集会後にはアローロックスを訪れ,昨年度果たせなかったARJとARFセクションの調査をする予定である.
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