2005 Fiscal Year Annual Research Report
浮遊している過冷却珪酸塩メルトからのコンドリュール組織形成
Project/Area Number |
16340163
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塚本 勝男 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60125614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 教博 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80302248)
横山 悦郎 学習院大学, 計算機センター, 教授 (40212302)
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Keywords | コンドリュール / 結晶成長 / 核形成 / バードオリビン / フェーズフィールド |
Research Abstract |
1.太陽系形成初期過程におけるコンドリュール形成を模擬した珪酸塩メルト浮遊実験をガスジェット浮遊炉により行った.その結果,無容器浮遊珪酸塩メルトは不均質核形成が抑制され容易に超過冷却状態に達するにもかかわらず,結晶化しないでガラス化してしまうことがわかった.したがって珪酸塩メルトがコンドリュールとして結晶化するには,星間ダストなどの微粒子との衝突による不均質核形成が必須であり,太陽系形成初期には非常に濃いダスト数密度が与えられていたことが推定される. 2.同じくコンドリュール再現実験結果からは,メルトが平衡凝固ではなく500-1000Kという超高過冷却メルトであるハイパークールドメルトからの結晶化であることが初めて示された.ハイパークールドメルトからは低過冷却結晶組織が安定に形成されることが従来の熱力学的計算から予測されており,本研究においてはハイパークールドメルトからのみ,典型的な低過冷却組織である斑晶質コンドリュール組織が再現されることを実験的に初めて確認した. 3.浮遊メルト結晶化実験,ならびに並列して行ったフェーズ・フィールド・モデルによる計算機シミュレーションの結果から,バードオリビンコンドリュールに固有の特徴的なリム構造は,従来言われているような徐冷過程(100K/hr)では形成されず,急冷過程(100K/s)によってのみ形成されることがわかった. 4.さらにコンドリュール再現実験結果から,直径1ミリのコンドリュールの結晶化が完了するまでの時間は,原始太陽系の冷却速度には無関係に約10秒程度であることが推定できた.この推定結果は従来説である数時間オーダーと比べて極めて短時間であり,コンドリュールは短時間イベントによる産物であることが予想される.この結果はコンドリュールに激しい蒸発の後が見られず揮発性成分が残されていることと調和的である.
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Research Products
(10 results)