2005 Fiscal Year Annual Research Report
亜熱帯における塩化メチル放出植物の検索と塩化メチル放出量を支配する環境要因の解明
Project/Area Number |
16340175
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
横内 陽子 独立行政法人国立環境研究所, 化学環境研究領域, 主任研究官 (20125230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新本 光孝 琉球大学, 熱帯生物圏センター, 教授 (20045115)
斉藤 拓也 独立行政法人国立環境研究所, 化学環境研究領域, NIESポスドクフェロー (40414370)
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Keywords | 塩化メチル / 放出量 / 亜熱帯植物 / 西表島 / 大気 |
Research Abstract |
(1)西表島における亜熱帯植物からの塩化メチル放出量測定 平成16年度に引き続いて、西表島に生育する植物についてバイアル瓶法を用いた塩化メチル放出量の測定を継続し、データベース化を行った。調査対象とした85科214種の植物のうち、32種(17科)が塩化メチル放出植物と同定された。特に放出量の多いものは、ハマゴウ、ホソバリュウビンタイなどで、放出量は葉の乾燥重量1g、1時間当たり4〜12μgに上った。 (2)塩化メチル放出速度を左右する環境要因の影響評価 塩化メチル放出量に対する環境要因の影響を詳細に調べるため、気温や湿度をコントロール可能な大型チャンバーと低温濃縮/GC/MSから構成される放出量自動測定システムを開発した。本システムを用いて、フタバガキ科樹木(ホペアオドラータ)と木生シダ植物(ヒカゲヘゴ、クロヘゴ)からの塩化メチル放出量を1ヶ月以上に渡って連続的に測定した結果、放出量は日中に低下することが明らかとなった。同様な日変化が目射を遮った条件下においても観測されたことから、これらの熱帯植物からの塩化メチル放出は植物が持つ概日リズムに制御されていることが示唆された。また、放出量と気温との関係を調べたところ、フタバガキとクロヘゴからの塩化メチル放出量は気温の変化に対して正の応答を示したのに対し、ヒカゲヘゴについては逆に負の応答をするなど、植物種によって異なることがわかった。 (3)西表島における大気中塩化メチル濃度の測定 夏(8月)と冬(2月)に西表島内5地点(周辺域4地点+山間部1地点)において大気中塩化メチル濃度の測定を行った。森林に囲まれた山間部では最高2750pptの塩化メチルが観測された。島の周辺部では、風下側で観測される塩化メチル濃度は風上側よりも高く、その差は40ppt(冬の日中)〜1000ppt(夏の夜間)であった。
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Research Products
(1 results)