2004 Fiscal Year Annual Research Report
イオン・フリーラジカルの構造・ダイナミクス:サブミリ波分光による研究
Project/Area Number |
16350004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
天埜 尭義 茨城大学, 理学部, 教授 (60037249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平尾 強司 茨城大学, 理学部, 特別研究員(PD)
笠井 康子 独立行政法人, 通信総合研究所, 主任研究員 (60281630)
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Keywords | 星間分子 / サブミリ波 / 大気化学 / フリーラジカル / イオン / 星間化学 |
Research Abstract |
低周波数ではよく知られているイオンでもサブミリ波領域では系統的に測定されていないものが多い。HCNH+、HN2+、C3H2+の回転遷移測定をサブミリ波領域まで広げた。HN2+のすべての基本振動励起状態における回転遷移を始めて観測した。同様のイオンであるHCO+に比べて振動温度が低く、そのため測定はより困難であった。振動温度が低いことはN2とH2の陽子親和度が近いことによるものと思われる。また、CH3CNH+のサブミリ波スペクトルをはじめて観測し精密な分子定数を決定した。 CH5+の探査のため従来のExtended Negative Glow放電管の微小ガス導入口に改良を加えた。それを用いCH5+のJ=1-O遷移のサーチを行っているが、まだ明確な信号は得られていない。次年度へ継続する。 JEM/SMILESプロジェクトに関連して、JEM/SMILES、JPL、およびOdinで観測対象になっているオゾンのサブミリ波領域の3本の回転遷移の圧力幅、およびそれらの温度依存性を精密に測定した。 超音速ジェット源を用いたサブミリ波装置にStark電極を設置した。不安定分子の双極子モーメントの測定およびStark変調を掛けることを目的としている。サブミリ波ビームの伝送特性、OCS, COなどを用いた総合的テストを実施している段階である。 Waterloo大学Bernath教授との共同研究の一環として、炭素鎖分子のフーリエ分光による電子スペクトルの精密観測を継続した。McCallらは放電ジェットによって生成したC3のスペクトルに帰属のつかない繊維を何本か検出した。我々はそれらがやはりC3によるものであり、摂動によって誘起された遷移であることを明らかにした。結果はAstrophysical Journal5月号に掲載される。
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