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2006 Fiscal Year Annual Research Report

有機化学の手法による活性な硫黄小分子の研究

Research Project

Project/Area Number 16350019
Research InstitutionSaitama University

Principal Investigator

中山 重蔵  埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (90092022)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 杉原 儀昭  埼玉大学, 理工学研究科, 助教授 (00272279)
石井 昭彦  埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (90193242)
Keywordsチオフェン1-オキシド / 一酸化硫黄 / アルケン / アルキン / [1+2]環化付加反応 / チイラン1-オキシド / 一重項一酸化硫黄 / チイレン1-オキシド
Research Abstract

3,4-ジ-t-ブチルチオフェン1-オキシド(1)とジメチルアセチレンジカルボキシラート(DMAD)のDiels-Alder反応は室温で進行し,付加体(2)を経由して,一酸化硫黄を放出してフタル酸エステル(3)を高収率で生成する.昨年度は鎖状ジエンや環状ジエンで一酸化硫黄の捕捉に成功したが,今年度はアルケンやアルキンによる捕捉実験を検討した.過剰のアルケン存在下,1にDMADを反応させた.その結果,アルケンの二重結合部分に一酸化硫黄が【1+2】付加したチイラン1-オキシドが得られた.アルケンとして2,2'-ビアダマンチリデン,シクロペンタジエン,ノルボルネン,ノルボルナジエン,およびベンゾノルボルナジエンを用いると,対応するチイラン1-オキシドが17%,4%,2%,19%,および3%の収率でそれぞれ得られた.cis-およびtrans-シクロオクテン,4および5,を捕捉剤として用いると,一酸化硫黄の付加は立体特異的かつ立体保持で進行し,4からはcis-シクロオクテンスルホキシド6が2%,5からはtrans-シクロオクテンスルホキシド7が19%の収率で得られた.この結果は,本反応に関与する一酸化硫黄がこれまでに知られていた三重項ではなく,一重項であることを示している.一方,過剰のアルキン存在下,1にDMADを反応させた.その結果,アルキンの三重結合部分に一酸化硫黄が[1+2]付加したチイレン1-オキシドが得られた.アルキンとしてジ(1-アダマンチル)アセチレン,2-ブチン,ジフェニルアセチレン,およびフェニルアセチレンを用いると,対応するチイレン1-オキシドが7%,17%,5%,および20%の収率でそれぞれ得られた.2-ブチンとフェニルアセチレンから得られたチイレンレオキシドはこれまでに得られたものの中で最も簡単な構造の化合物であるが,予想以上の熱安定性を示すことがわかった.本方法を用いれば,アルケンやアルキンから一段階でチイラン1-オキシドやチイレン1-オキシドを合成することができることがわかった.

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Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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