2004 Fiscal Year Annual Research Report
テトラピロールを基盤とするN-混乱ポルフィリノイドの合成と機能探索
Project/Area Number |
16350024
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古田 弘幸 九州大学, 工学研究院, 教授 (40244157)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸叶 基樹 九州大学, 工学研究院, 助手 (80372754)
|
Keywords | N-混乱ポルフィリン / N-フューズポルフィリン / ペンタフィリン / アニオン認識 / 自己二量化錯体 / 亜鉛錯体 / カドミニウム錯体 / レニウム錯体 |
Research Abstract |
1.N-混乱ポルフィリン及びその2価金属錯体がハライドアニオンと強く相互作用をすることを見いだした。種々の分光学的な解析の結果、アニオンはポルフィリン環を構成する混乱ピロールの外周部NHに水素結合を通して強く結合しており、特にメゾ位に電子吸引性基であるペンタフルオロフェニル基が置換された銅(II)錯体では、会合定数が約50,000M^<-1>もの値を与え、1点の水素結合としては記録的な結合力であった。 2.環拡張型のN-混乱ポルフィリンの一種である混乱型ペンタフィリンの合成を試みたところ、ピロール環が反転し、隣接するピロールと融合した、二重N-フューズペンタフィリンが生成した。また、二重N-混乱型のペンタフィリン合成においては、アミド様に酸化されたジオキソ型のペンタフィリンが生成することも明らかとなった。 3.N-混乱ポルフィリンと亜鉛、カドミニウム、水銀イオンとの錯体形成を行うと、内部窒素、及び外部窒素が互いに金属に配位した2:2型の自己二量化錯体を与えることがX線構造解析などより明らかとなった。また、二量体間同士の配位子交換反応について熱力学パラメーターの解析をしたところ、同種金属イオンの場合は、エントロピー支配で交換反応が進行していることが明らかとなった。 4.N-混乱ポルフィリンとレニウム金属イオンとの金属錯化を行ったところ、混乱ピロール環の反転と融合を伴った、N-フューズポルフィリン-レニウム錯体が高収率で得られることが、X線単結晶構造解析の結果、明らかとなった。
|