2005 Fiscal Year Annual Research Report
テトラピロールを基盤とするN-混乱ポルフィリノイドの合成と機能探索
Project/Area Number |
16350024
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
古田 弘幸 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40244157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸叶 基樹 九州大学, 工学研究院, 助手 (80372754)
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Keywords | N-混乱ポルフィリン / テトラピロール / レニウム錯体 / 拡張ポルフィリン / アニオン認識 / ヘキサフィリン / オクタフィリン / ピラゾールポルフィリン |
Research Abstract |
ポルフィリンの異性体であるN-混乱ポルフィリン(NCP)の発見によって端緒が開かれた、「混乱ポルフィリノイドの化学」を探索するために、NCPの金属錯化と拡張ポルフィリン系への混乱の導入を中心に検討した。特に金属錯化においては,第6周期のレニウムに着目して検討したところ、混乱ピロール環が反転融合した、N-フューズポルフィリンの錯体が得られることが判明した。さらに、高酸化状態である7価の錯体は酸素化反応も触媒できることもわかり、NCPのあらたな展開の方向性を示すことができた。一方、環拡張系に混乱ピロールを導入する試みは、これまでペンタフィリン、ヘキサフィリンまで成功していたが、新たにオクタフィリンへ2個導入することにも成功し、その金属錯体も得ることができた。X線単結晶構造解析の結果、混乱ピロールが導入されることにより、環のひずみが解消され、2個の金属イオンを容易に配位できる構造をとっていることが明らかとなった。また、ヘキサフィリン金属錯体に関する種々の物性検討の結果、亜鉛錯体においては,近赤外領域に高い発光能を有していること、また電気化学測定からは、多電子のレドックスプールとして機能すること等が明らかとなった。 一方、混乱ピロールをピラゾールに変える試みにも成功し、ピラゾールポルフィリンが外周部で水素結合を通して、互いに相互作用することを,固体状態、及び溶液状態で確認した。さらに、従来とは異なる合成法による二重N混乱ポルフィリンの合成に成功し、テトラピロールの多重混乱化に向けての新たな合成指針を得た。
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