2004 Fiscal Year Annual Research Report
イオン性液体の機能化-作動する媒体「戦う媒体」へのパラダイムシフト
Project/Area Number |
16350025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
石川 雄一 大分大学, 工学部, 助教授 (30184500)
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Keywords | イオン性液体 / 金属配位 / ニコチン / チオールとジスルフィド / 可逆な水溶性、疎水性制御 |
Research Abstract |
ニコチン骨格は二つの環状窒素を持ち、その片方を四級化するとイオン性液体化する事を見いだした。このイオン性液体は、一つの窒素が不対電子を持っているため遷移金属イオンと親和性があるが、キレート能力は低いため安定度定数が高くなく、このおかげで銅(II)イオンは「錯化と脱金属化」を可逆的に生じる事を認めた。配位性イオン性液体の融点などの物性は、平面型構造を作りやすい銅(II)に加え、四面体型錯体を与える亜鉛(II)、八面体型構造と平面型や四面体型構造間の平衡を制御しやすいニッケル(II)やコバルト(III)などで大きく異なる事を認めた。今後は、中心金属イオンの錯化構造でその液体状体のスピン磁性、伝導性、粘性や融点などの調節を図る系を見いだしたい。さらに、配位子であるだけでなく、ニコチン骨格のイオン性液体は不斉でもあるのでこの点の活用も、本研究の17年度継続中に明らかにする予定である。 イオン性液体の特徴の一つに、水ともオイルとも相分離する事がある。この特徴により、双方の媒体と液液抽出が可能になっている。三相系を含めて、液液抽出を行う場合、イオン性液体が水相に溶解したり、相分離する状況を制御できると分離操作の効率が画期的に向上する。イミダゾリニュウムイオン性液体にチオール基とジスルフィド間の酸化還元特性を組み込んだところ、酸化状態で疎水性のイオン性液体となり、還元状態で水溶性のイオン性液体となることを確認した。 これらの結果は、投稿準備中であり、その一部は、既に次ぎに投稿している。 Satoshi Kitaoka, Kaoru Nobuoka Yuichi Ishikawa、「Ionic Liquid for Tetraarylpolphyrin Preparation」、Tetrahedron.
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