2005 Fiscal Year Annual Research Report
先端医療用糖鎖連結ハイブリッド金属錯体の開発とバイオメカニズムの解明
Project/Area Number |
16350032
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
矢野 重信 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (60011186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小幡 誠 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助手 (70343267)
森本 恵子 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (30220081)
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Keywords | 医療 / 光増感剤 / 核画像診断 / がん / ポルフィリン / 糖 / 金属錯体 / フラーレン |
Research Abstract |
1.核医学画像診断は人体に投与された放射性医薬品の体内動態を放射能を指標に、体外測定器で経時的に測定し、2次元あるいは3次元画像として追跡することによって行われる、非侵襲的な診断である。まさに、近年の生命科学の進歩を支えているRIトレーサー研究法の医療への応用である。このような背景から、近年、^<99m>Tcを中心とする金属RIを対象に、新しい生理的、生化学的診断機能を有する金属錯体の開発が望まれている。一方、Tcの同属元素であるReの配位化学を解明することによって、^<99m>Tcの配位化学を推定可能である。 このような観点から、本研究では生体適合性に優れ、またドラッグデリバリー(DDS)機能が期待される糖質を連結したReおよび^<99m>Tc錯体の開発を目的としている。 2.(NET_4)_2[ReBr(CO)_5]と一連の新規糖連結1,3-diaminopropane(L)および(2,2'-dipicolyamine(L')との反応により、[Re(L or L‘)Br(CO)_3]Br錯体の合成とキャラクタゼーションを行った。また、[^<99m>Tc(H_2O)_3(CO)_3]とLおよびL'と反応させ、そのHPLCの挙動を対応するRe錯体と比較検討した。 3.[Re(L or L‘)(CO)_3]Br錯体は3つのCOがfac型に配位した6配位八面体であることが判明した。また[^<99m>Tc(L or L')(H_2O)(CO)_3]^+はReと錯体と同様に6配位八面体であると結論された。特に、L'を含む錯体はシスチンやヒスチジンとの配位子交換反応においてかなり安定であることが判明した。この知見は、L'錯体は核画像診断薬として優れたものであることを示しており、今後の臨床応用が期待される。
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Research Products
(6 results)