2006 Fiscal Year Annual Research Report
先端医療用糖鎖連結ハイブリッド金属錯体の開発とバイオメカニズムの解明
Project/Area Number |
16350032
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
矢野 重信 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (60011186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小幡 誠 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助手 (70343267)
森本 恵子 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (30220081)
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Keywords | 医療 / 抗菌活性 / 増殖阻害 / 真菌 / 糖 / チオグリコシド / 銀(I)錯体 |
Research Abstract |
1.銀(Ag(I))錯体は抗菌活性の観点から注目されている。抗菌活性は錯体からのゆっくりしたAg^+イオンの解離に基づくとされている。実用面においては、これらの錯体の安定性ならびに水溶性が重要である。このような観点から、糖質は重要な役割を担うことが期待される。しかしながら、糖質によるAg^+イオンの還元が伴うことが多く、Ag^+イオンとの糖質の化学は、かなりの制限を受けている。一方、エチレン架橋の鎖状三脚型NS3一型配位子が安定なAg(I)錯体を形成されることが知られている。本研究では、三脚型S-グリコシド配位子の合成ならびにAg(I)錯体についての合成、キャラクタリゼーションおよび抗菌活1生にっいて検討した。 2.三種の糖(D-グルコース、D-ガラクトース、D-マンノース)の各チオールおよびチオアセタールとトリス(2-プロモエチル)アミンとの反応により、珍しい糖質が連結した三脚型NS3配位子を合成した。これらの配位子を用いて安定なAg(I)錯体を合成した。元素分析、NMR, X-ray, MS, EXAFSにより、錯体のキャラクタリゼーションを行った。錯体の抗菌活性、バクテリアの増殖阻害および毒性試験を行った。 3.本研究の結果、新規糖連結NS_3-型配位子の実用的な合成法を確立した。これらの配位子はC_3対称構造の安定な単核Ag(I)を形成することが明らかとなった。錯体の水溶性は糖の種類に依存することが判明した。抗菌活性試験の結果、これらの錯体は、糖の種類に関係なく、バクテリア、イースト菌および真菌に対し良好な抗菌活性を示した。すなわち通常のAg(I)塩に比べて、Ag(I)錯体への糖質の導入により抗菌活性を向上させ、毒性の軽減が見られた。今後の展開が期待される。
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Research Products
(7 results)