2004 Fiscal Year Annual Research Report
ゲスト分子を可逆的に取込む光スイッチング配位高分子の合成
Project/Area Number |
16350037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
宗像 惠 近畿大学, 理工学部, 教授 (80090942)
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Keywords | 光スイッチング / ゲスト分子 / 多孔性 / 銀錯体 / 配位高分子 / 結晶構造 / フォトクロミズム / 吸着と脱離 |
Research Abstract |
フォトクロミック化合物の2,3-bis(2,4,5-trimethyl-3-thienyl)maleimid (bttm))を用いて、多孔性銀(I)配位高分子[Ag(bttm)(CF_3COO)](1)を合成した。1では異なる2つのbttmのチエニル基がAgに配位し、このbttmは水素結合によってつながった一次元鎖構造を形成していた。隣接する一次元鎖が直行しているため、7.0×7.9Åのチャンネルが形成されていた。このチャンネルには、ペンタン0.4分子が取り込まれ、このペンタンは120℃で加熱することで脱離することが分かった。1に405nm光を照射したが残念ながらフォトクロミズムは示さなかった。 次に閉環体bttm(closed-bttm)を用いて、チャンネルを有するAg(I)配位高分子[Ag(closed-bttm)(CF_3COO)](2)の合成を行った。closed-bttmをAgが架橋した一次元鎖構造を形成し、この一次元鎖をclosed-bttm同士が水素結合により架橋した二次元平面構造をとっていた。この配位高分子2はチャンネル(7.5×7.6Å)を有し、このチャンネルにはペンタン1.6分子が吸着されることを明らかにした。2に525nmの光照射を行った結果、閉環体から開環体へ変化することが分かった。このようにclosed-bttmの錯体では一方方向ではあるが、光で構造変換し、ゲスト分子を脱離することを見出した。 新規フォトクロミック多孔性配位高分子の合成するために、4種のフォトクロミック・ジアリールエテン、sodium 2,2'-dimethyl-3,3'-(perfluorocyclopentene-1,2-diyl)bis(benzo[b]thiophene-6-sulfonate),1,2-bis(2'-methyl-5'-(4"-pyridyl)-3'-thienyl)perfluorocyclo-pentene,1,2-bis(5-carboxy-2-methyl-3-thienyl)perfluorocyclopentene,1,2-bis(3-methyl-5-(4-benzonitrile)-2-thienylperfluorocycl-penteneの合成に成功した。
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Research Products
(6 results)