2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16350038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
一ノ瀬 泉 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, アソシエートディレクター (50243910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 建国 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 研究員 (60373362)
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Keywords | ナノファイバー / 水酸化カドミウム / DNA / アニオン色素 / 自己支持性膜 / 分離膜 / バンドル様会合体 / ナノストランド |
Research Abstract |
コンフォメーションやキラリティーなどの独立した有機分子の特徴を無機材料で再現できるならば、一つの新しい機能単位が得られる。本研究では、金属酸化物のナノ材料をこのような機能単位として捉え、その分子機能を探求している。16年度は、水酸化カドミウムのナノファイバーの形成を手がかりに、他の金属水酸化物での合成を検討し、特に水酸化銅で大きな1000以上のアスペクト比を有するナノファイバーの合成に成功した。また、水中で形成されたナノファイバーを自己支持性のナノ薄膜として固定化する技術を開発した。この薄膜化の成功は、ナノファイバーの評価や表面特性を研究するために大きく貢献している。 応用面では、短いDNAフラグメントをその極めて希薄な水溶液から分離する吸着剤として、水酸化カドミウムのナノファイバーを利用した。このナノファイバーは、硬直な二本鎖DNAを強力に吸着するだけでなく、EDTAを添加することでナノファイバー自体が消滅し、DNAを定量的に脱着する。ナノファイバーの表面でのDNAの吸着様式を高分解能の走査型ならびに透過型電子顕微鏡により詳細に検討された。 さらに、本年度は、ナノファイバーを構成要素とする分子集合体の構築の検討を行った。我々は、ナノファイバーとアニオン性の色素分子との複合体を形成すると、両者が平行に配列したバンドル様の組織体が得られることを見出した。色素とナノファイバーは、約2ナノメートルの幅の縞模様を形成し、全体としてテープ状の会合体を形成する。このような高次の酸化物ナノ組織体は、エレクトロスピニング法で得られる高分子ファイバーのような柔軟な繊維質のフィルムを形成することが分かった。
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Research Products
(3 results)