2006 Fiscal Year Annual Research Report
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16350038
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
一ノ瀬 泉 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ有機センター, センター長 (50243910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 建国 独立行政法人理化学研究所, トポケミカルデザイン研究チーム, 研究員 (60373362)
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Keywords | ナノファイバー / 水酸化亜鉛 / ナノ繊維状薄膜 / 自己支持性膜 / ナノ分離膜 / 水酸化カドミウム / 水酸化銅 / 高分子コーティング |
Research Abstract |
コンフォメーションやキラリティーなどの独立した有機分子の特徴を無機材料で再現できるならば、一つの新しい機能単位が得られる。本研究では、金属酸化物のナノ材料をこのような機能単位として捉え、その分子機能を探求した。18年度は、合成条件を最適化することで直径2.3ナノメートルの水酸化亜鉛のナノファイバーが形成できることが見出され、高分解能電子顕微鏡による格子像の観察、電子線回折、色素の吸着実験、暗視野走査透過電子顕微鏡による結晶構造の解析を行い、ナノファイバーの内部構造を詳細に検討した。 一方、水酸化カドミウムのナノファイバーは、自己支持性のナノ薄膜としてフィルター上に固定化できる。18年度は、ナノファイバーと様々なアニオン性物質とのナノ複合ファイバーを形成し、これらの自己支持性膜の作製を検討した。その結果、色素やタンパク質、ナノ粒子、カーボンナノチューブなどを含んだナノ繊維状薄膜の製造が可能となった。特に、色素を用いた場合、大きさが膜厚の1,000,000倍に達する大面積の自己支持性膜が作製された。これらのナノ薄膜は、様々な多孔性基板に移し取ることができる。 さらに、18年度は、直径2.5ナノメートルの水酸化銅のナノファイバーの回りにポリピロールやポリアニリンを用いて数ナノメートルの高分子コーティングを行い、このコア/シェル状のファイバーを用いて自己支持性のナノ薄膜を作製した。この膜は、酸や塩基あるいは300℃までの熱処理に対して安定であり、タンパク質のサイズ選択的な分離膜として利用できる。厚みが40ナノメートルの膜では、10,000L/h m^2の濾過速度を維持しながら直径数ナノメートルのタンパク質を分離できることが分かった。
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Research Products
(3 results)