2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16350041
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 哲男 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20183030)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 誠 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (60313326)
|
Keywords | 超音波 / 粒子 / 流れ特性 / 分離 |
Research Abstract |
超音波を用いた粒子分離法の確立のため、以下の検討を行った。 1.電場を用いて粒子濃縮を行い、その後超音波による粒子の選別を行えるようなチャンネルの設計、製作 2.イオン交換樹脂などを膨潤状態の違いによって識別するための基礎検討 3.金属など高密度粒子の音場内挙動に基づく分離の可能性の検討 1では電場を用いた濃縮の有用性とそのための技術を確立し、単一粒子の音場内挙動を定量的にとらえることが可能であることを確認した。しかし、音場による粒子分離は粒子間相互作用などのために困難であった。2では、イオン交換樹脂を圧縮率の違いによって識別できることを見出し、その挙動は対イオンの水和状態によってきまることを明らかにした。これにより、超音波を用いてイオン交換現象を種々の方向から計測、評価可能であることが明らかになった。3では、超音波は高密度粒子であるが圧縮率の小さい金属をむしろ軽い粒子であると認識しており、それらを音場内に浮揚させることが容易であることを見出した。密度による選別機構が強く働くために、金属間の分離は容易ではないが、音場の調節によって鉄とステンレスのような比較的性質の似通った粒子を分別することが可能であった。 前年度に見出した流れ特性を分子分離にまで拡張することを検討した。流れ特性を流路の長さ、径、流れの速さ、拡散の大きさから定量的に評価し、それに基づいて非拡散性、拡散性物質を見かけ上異なる位置に溶出させることができる。この機構は、溶存分子のように比較的似通った拡散係数を持つものでは分離機構として働き得ない。しかし、ミセルやベシクルのように溶存分子に比べて1桁以上拡散係数が異なるものとの相互作用を利用すると、分子の特性に応じた分離が可能である。この現象を定量的に評価し、それを利用して種々の有機分子、無機イオンなどを、中空キャピラリーを通過させるだけで分離できることを示した。
|
Research Products
(7 results)