2006 Fiscal Year Annual Research Report
マルチチャンネル型表面プラズモン共鳴センサの開発とアレルギー物質の多成分同時測定
Project/Area Number |
16350047
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Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
今任 稔彦 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (50117066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗 伸明 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (90336008)
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Keywords | 表面プラズモン共鳴 / アレルゲン / 免疫測定 / マイクロチャンネル / 間接競合法 / サンドイッチ測定法 |
Research Abstract |
本研究は、小型で持ち運び可能で、多成分を同時に測定できる表面プラズモン共鳴現象を利用する免疫センサを開発し、人間の持つアレルギー体性を迅速に診断する測定法を開発しようとするものである。アレルゲン物質の摂取や被曝により体内に生成されるイムノグロブリンE (IgE)やヒスタミンを表面プラズモン(SPR)センサにより測定する方法を確立するとともに、マイクロチャンネル型のフローセルの試作するとともに5チャンネルの表面プラズモン共鳴センサの試作を行った。成果は以下の通りである。 (1)金薄膜センサチップ上にIgEのCe2ドメインを認識する抗IgE抗体を固定化し、試料のIgEにIgEのCe3ドメインを認識する抗IgE抗体を過剰に加えて、センサチップ上で生成する抗体-IgE-抗体のサンドイッチ複合体をSPRセンサで測定する方法論を確立した。検出下限濃度は約10ppbであり、アレルギー診断に十分な感度を示すことがわかった。また、センサチップに直接IgEを捕捉して測定する直接法に比べて感度が約4.5倍向上することが分かった。この向上の原因を、センサチップ上でのラングミューア型の等温吸着平衡式より算出した抗原-抗体の結合定数から明らかにすることができた。 (2)アルカンチオールの単分子膜を形成し、ペプチド結合を介してヒスタミンを固定化したヒスタミン固定化センサチップを用いて、抗ヒスタミン抗体を一定濃度含むヒスタミン試料をSPRセンサで測定する競合イムノアッセイ法を確立した。検出下限濃度は約3ppbであり、アレルギー診断に十分な感度を示すことがわかった。 (3)1つのLEDを光源とし、1つのリニアCCDセンサでSPR現象による反射光強度の減少を測定する5チャンネル型SPRセンサを試作し、その基本的特性をフロー系及びバッチ系で検討した。その結果、チャンネル間の光強度の若干の差異が見られるもの、屈折率感度で10^<-6> RIUレベルの感度を示すSPRセンサを示すことが分かった。
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