2004 Fiscal Year Annual Research Report
塩基代替型新触媒機能を有する反応性遷移金属シアノカルバニオンの創製
Project/Area Number |
16350055
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
直田 健 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (20164113)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今田 泰嗣 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (60183191)
小宮 成義 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (00301276)
高谷 光 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (50304035)
|
Keywords | ルテニウム / シアノカルバニオン錯体 / 炭素-炭素結合形成 |
Research Abstract |
シアノカルバニオンの炭素-炭素結合形成における選択性と効率に代わる第3の触媒機能の獲得を目指し、錯体化学的および有機化学的観点から基礎的な研究を行った。具体的には、新機能性触媒を開拓するために、一連の炭素および窒素結合型シアノカルバニオン錯体の合成を行い、異性化の配位子および置換基の立体的、電子的因子や中心金属との相関に関する包括的知見を得ることにより活性触媒種となるN-型錯体の安定化と活性化に関する一般的指標を得ることができた。さらに、金属のπ-平面のすべり移動を駆動力とする分子内機構と、金属の自己組織化を鍵に進行する分子間機構が作動するための因子として、中心金属、配位子、α-置換基を詳細に検討することでこれらの反応経路の化学制御に関する知見を得ることができた。また、N-型錯体のアルデヒド、ケトン、アルキン、ニトリルなどの各種親電子剤に対する炭素-炭素結合形成と配位子交換過程の特異性を分光学的および速度論的に解明することで、ニトリルの炭素-炭素結合形成触媒反応を精密に把握することができた。本研究により、塩基触媒反応でありながら中性条件下で進行する特異性、触媒活性-不活性スイッチング機能など、従来にない触媒機能を提示しつつ、炭素-炭素結合形成型触媒に付与する新形式の触媒反応を開拓するための有用な知見が得られることとなった。
|
Research Products
(5 results)